国内

1日17時間も…麻雀中毒だった62才女性は槇原敬之を理解

自宅で覚せい剤約0.083グラムを所持していたという(時事通信フォト)

自宅で覚せい剤約0.083グラムを所持していたという(時事通信フォト)

 体験取材などを得意とする『女性セブン』の名物ライター“オバ記者”こと野原広子(62)が、世の中で話題になっているトピックについて、自分なりの目線で自由に綴る。今回のテーマは「マッキー逮捕で思い出した、若かりし日の自分」です。

 * * *
 歌手の槇原敬之容疑者(50才)が2月13日、覚醒剤所持の疑いなどで逮捕された。1999年8月に続いて、2度目の逮捕だ。

「なんで? 2度逮捕されたら再起は厳しいのに!」と、マッキーファンの友人は怒る怒る! で、「そうよね」と相槌を打つものの、私は彼女ほど怒れない。「わかっちゃいるけどやめられない」のが依存症なら、私にも身に覚えがあるからだ。

 30代初めから50過ぎるまでの二十数年間、私がハマったのは麻雀。昼を夜に継いで雀荘に入り浸っていた。そのときのことを聞かれると私は「意識不明」と答え、「お金よりもっと大きな、人生そのものをスッちゃった」と言って笑うことにしている。

 けど、笑いごとじゃすまされないことが昨年起こった。昨冬、真夜中に心臓をわしづかみにされるような痛みにのたうち回る心臓発作を起こして病院に駆け込んだら、「心房細動(※)」と診断されたの。医者には黙っていたけど、原因は二十数年に及ぶ不摂生な日々に決まっている。いまさらながら、もし30代で麻雀を覚えなかったら、再婚して子供を産んで…という生き方だってあったのになと、後悔してみたりする。

※不整脈の一種で、心臓内にある心房が異常な動きをし、心臓本来の動きができなくなる病気。

 いや、思えば、夜な夜な雀卓にしがみついていたあのときだって、同じことを思ってはいたのよ。でも、ギャンブルにハマったことがある人ならわかると思うけど、毎日がジェットコースターに乗っているみたい。勝っているときの浮遊感から、まっ逆さまに落ちていくあのスリルがたまんないんだよね。

 人と会えば笑って話して、仕事もそれなりにしているけど、ふと考えるのは、雀卓に並んでいる牌のこと。そうなると、気が気じゃない。気づけば数時間後に、行きつけの雀荘のドアを開けて、「おっ、いらっしゃ~い!」と、なじみの店員さんに迎えられていた。

 始めたばかりのときはビギナーズラックでとんでもない手が簡単にできた。自分の才能と勘違いして、時間と体力と資力が許す限り、寝ないで食べないで17時間ぶっ続け。雀卓がゆがんで見えるまで、セブンスターを吸い続けていたっけ。

 それだけ麻雀というゲームは面白いのよ。面白さのあまり、多くの国民が熱狂的に興じた本場・中国では、“亡国の遊び”として禁じられていたくらい。

 でも…「なんでこんなことしているんだ、私」と素に戻ることもあったのよ。ひどい負け方をして泣いて帰り、もう二度とやるもんか、と何度心に誓ったことか。なのに、泥のように寝て、目が覚めれば、「さて、と」。

 このリセットがいい方に向かうかと思いきや、そうじゃないのよね。

関連記事

トピックス

中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
高校時代にレイプ被害で自主退学に追い込まれ…過去の交際男性から「顔は好きじゃない」中核派“謎の美女”が明かす人生の転換点
NEWSポストセブン
スカイツリーが見える猿江恩賜公園は1932年開園。花見の名所として知られ、犬の散歩やウォーキングに訪れる周辺住民も多い(写真提供/イメージマート)
《中国の一部では夏の味覚の高級食材》夜の公園で遭遇したセミの幼虫を大量採取する人たち 条例違反だと伝えると「日本語わからない」「ここは公園、みんなの物」
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《死刑執行》座間9人殺害の白石死刑囚が語っていた「殺害せずに解放した女性」のこと 判断基準にしていたのは「金を得るための恐怖のフローチャート」
NEWSポストセブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《「ダサい」と言われた過去も》大谷翔平がレッドカーペットでイジられた“ファッションセンスの向上”「真美子さんが君をアップグレードしてくれたんだね」
NEWSポストセブン
ゆっくりとベビーカーを押す小室さん(2025年5月)
《小室圭さんの赤ちゃん片手抱っこが話題》眞子さんとの第1子は“生後3か月未満”か 生育環境で身についたイクメンの極意「できるほうがやればいい」
NEWSポストセブン
『国宝』に出演する横浜流星(左)と吉沢亮
大ヒット映画『国宝』、劇中の濃密な描写は実在する? 隠し子、名跡継承、借金…もっと面白く楽しむための歌舞伎“元ネタ”事件簿
週刊ポスト
中核派の“ジャンヌ・ダルク”とも言われるニノミヤさん(仮称)の壮絶な半生を取材した
【独占インタビュー】お嬢様学校出身、同性愛、整形400万円…過激デモに出没する中核派“謎の美女”ニノミヤさん(21)が明かす半生「若い女性を虐げる社会を変えるには政治しかない」
NEWSポストセブン
山本アナ
「一石を投じたな…」参政党の“日本人ファースト”に対するTBS・山本恵里伽アナの発言はなぜ炎上したのか【フィフィ氏が指摘】
NEWSポストセブン
今年の夏ドラマは嵐のメンバーの主演作が揃っている
《嵐の夏がやってきた!》相葉雅紀、櫻井翔、松本潤の主演ドラマがスタート ラストスパートと言わんばかりに精力的に活動する嵐のメンバーたち、後輩との絡みも積極的に
女性セブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン