芸能

NHK『みんなのうた』はどうやって曲を決めているのか

『NHK2020応援ソング』プロジェクトとして制作された『パプリカ』だが、『みんなのうた』で放送され大ブレーク

 1961年4月にスタートし、来年で放送60年を迎えるNHK『みんなのうた』。この番組から生まれた名曲は1500曲に及び、ヒット曲が生まれたり、放送中のうたにファンサイトが誕生したりと注目を集め続けている。なぜ魅力が衰えないのか? その秘密を探る。

 1960年代初頭、高度経済成長期でテレビが普及し、流行歌が次々に誕生する中、「子供たちが口にするのは、美しく健康的な歌詞とメロディーのうたであってほしいという思いから、『みんなのうた』は誕生しました」と、同番組プロデューサーの関山幹人さんは言う。

「ですが、子供向けの“うたばん”という意識はありません。うたにより、『これは思春期の学生たちに届くのでは』『これは仕事で疲れた人たちに刺さるのでは』などと、ターゲットを想定しています」(関山さん)

 親と子だけでなく、祖父母世代もターゲットにしているという同番組。この番組を長年見ているというテレビ解説者の木村隆志さんも、この番組の魅力を次のように話す。

「懐かしいうたも放送されているので、ノスタルジックな気持ちにさせられ、疲れた心も癒されます。誰もが口ずさめるのはその根底に流れる目線が優しいからでしょう。

 オンデマンドで何もかも見られるいまの時代に、テレビから流れる5分間の番組の中で“こんなうたがあったのか”と発見できるのも魅力です」

 1回5分の放送で流れるうたは1~2曲。2か月を1サイクルとして、新曲、再放送、リクエスト枠などが、総合、Eテレ、FM、NHKラジオ第2などで放送されている。

「午前中や夕方、夜中とさまざまな時間に放送があるので、夜は仕事から帰ってきた人が懐かしくて、ホッとするのではないかといううたをあえて選んだりもします。ある程度の層は狙いつつも、各世代が違和感を覚えるようなうたは避けています」(関山さん・以下同)

 うたは随時、スタッフで気になった楽曲を持ち寄り、検討を重ねた上で最終的に決めているという。

「いろんなところにアンテナを張り、常にうたを探しています。レコード会社の人に紹介してもらったり、フェスに行ったり、最近はYouTubeを見て、“この人だ!”と思ってお願いすることもあります。有名、無名関係なく、いいアーティストであれば積極的にお願いするので、特定の方程式があるわけではないですね」 

※女性セブン2020年3月5日号

関連記事

トピックス

史上初の女性総理大臣に就任する高市早苗氏(撮影/JMPA)
高市総裁取材前「支持率下げてやる」発言騒動 報道現場からは「背筋がゾッとした」「ネット配信中だと周囲に配慮できなかったのか」日テレ対応への不満も
NEWSポストセブン
沖縄県那覇市の「未成年バー」で
《震える手に泳ぐ視線…未成年衝撃画像》ゾンビタバコ、大麻、コカインが蔓延する「未成年バー」の実態とは 少年は「あれはヤバい。吸ったら終わり」と証言
NEWSポストセブン
米ルイジアナ州で12歳の少年がワニに襲われ死亡した事件が起きた(Facebook /ワニの写真はサンプルです)
《米・12歳少年がワニに襲われ死亡》発見時に「ワニが少年を隠そうとしていた」…背景には4児ママによる“悪辣な虐待”「生後3か月に暴行して脳に損傷」「新生児からコカイン反応」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《黒縁メガネで笑顔を浮かべ…“ラブホ通い詰め動画”が存在》前橋市長の「釈明会見」に止まぬ困惑と批判の声、市関係者は「動画を見た人は彼女の説明に違和感を持っている」
NEWSポストセブン
バイプレーヤーとして存在感を増している俳優・黒田大輔さん
《⼥⼦レスラー役の⼥優さんを泣かせてしまった…》バイプレーヤー・黒田大輔に出演依頼が絶えない理由、明かした俳優人生で「一番悩んだ役」
NEWSポストセブン
国民スポーツ大会の総合閉会式に出席された佳子さま(10月8日撮影、共同通信社)
《“クッキリ服”に心配の声》佳子さまの“際立ちファッション”をモード誌スタイリストが解説「由緒あるブランドをフレッシュに着こなして」
NEWSポストセブン
“1日で100人と関係を持つ”動画で物議を醸したイギリス出身の女性インフルエンサー、リリー・フィリップス(インスタグラムより)
《“1日で100人と関係を持つ”で物議》イギリス・金髪ロングの美人インフルエンサー(24)を襲った危険なトラブル 父親は「育て方を間違えたんじゃ…」と後悔
NEWSポストセブン
「父と母はとても仲が良かったんです」と話す祐子さん。写真は元気な頃の両親
《母親がマルチ商法に3000万》娘が借金525万円を立て替えても解けなかった“洗脳”の恐ろしさ、母は「アンタはバカだ、早死にするよ」と言い放った
NEWSポストセブン
来日中国人のなかには「違法買春」に興じる動きも(イメージ)
《中国人観光客による“違法買春”の実態》民泊で派遣型サービスを受ける事例多数 中国人専用店在籍女性は「チップの気前が良い。これからも続けたい」
週刊ポスト
競泳コメンテーターとして活躍する岩崎恭子
《五輪の競泳中継から消えた元金メダリスト》岩崎恭子“金髪カツラ”不倫報道でNHKでの仕事が激減も見えてきた「復活の兆し」
NEWSポストセブン
自宅への家宅捜索が報じられた米倉(時事通信)
米倉涼子“ガサ入れ報道”の背景に「麻薬取締部の長く続く捜査」 社会部記者は「米倉さんはマトリからの調べに誠実に対応している」
米・フロリダ州で元看護師の女による血の繋がっていない息子に対する性的虐待事件が起きた(Facebookより)
「15歳の連れ子」を誘惑して性交した米国の元看護師の女の犯行 「ホラー映画を見ながら大麻成分を吸引して…」夫が帰宅時に見た最悪の光景とは《フルメイク&黒タートルで出廷》
NEWSポストセブン