国内

非進学校出身の東大生、高校担任の後ろ向きな言葉で発奮

週5で通うほどなじみのカフェ「リスブラン」で

 1877年4月、明治政府によって設立された、日本で最初の官立大学「東京大学(以下、東大)」。2019年の東大合格者数は約3000人だ。100名以上の東大生を取材し、『東大合格生のノートはかならず美しい』(文藝春秋)などの著書があるフリーライターの太田あやさんが、合格者の内訳についてこう語る。

「有名進学校からの合格者が極端に多いのが特徴です。2019年度の合格者をみるだけでも、開成高等学校(東京)、筑波大学附属駒場高等学校(東京)、麻布高等学校(東京)という上位3校で合格者の8分の1を占め、上位30校で合格者の半数を占めています」

 そんな太田さんが“これまであまり会ったことのない東大生”として注目したのが、非進学校から東大に合格してきた学生たちだ。

「彼らは、東大を目指すこと自体を好奇の目で見られたり、引かれたりという経験をしています。東大は他大学よりも受験科目が多いため、高校のカリキュラムが追いつかず、独学しなければいけなかったり、センター試験前後に東大受験に関係のない試験を課す高校もありました。そんな悔しさや孤独、苦難を経験してきた彼らには、強靭な精神力や、周りに流されない自分を持っていると感じました」

 彼らの出身高校の偏差値は40~50台が多く、中学入学時は30台だったり、通信制高校出身者もいる。中学、高校入学時には東大を目指すことを想像していなかった彼らが、なぜ東大を目指し、合格できたのか──。

 東大に『東大フロンティア・ランナーズ(UTFR)』というサークルがある。彼らは「非進学校から東大に合格した」現役東大生だ。そのUTFRに所属する11人の東大生へのインタビュー集『非進学校出身東大生が高校時代にしてたこと』(小学館)が2月26日に発売された。同書にも登場する東大生の1人に話を聞いた。

◆「東大は難しい」という固定観念を取り去るところから始まります

 東京・目黒区の駒場キャンパスにほど近いカフェに、上背のある青年が入って来て、こちらを見つけると人懐こい笑顔を見せてくれた。彼の名前は(りゅうき)さん(22才)。

 永見さんは神奈川県の公立小学校卒業後、公立中学校に進学。推薦入試で私立高校の特進コース(偏差値42~50)に入学し、一浪の末、2017年に東大文科二類に合格。同高校からは、学校創立以来初の東大合格者となった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
フレルスフ大統領夫妻との歓迎式典に出席するため、スフバートル広場に到着された両陛下。民族衣装を着た子供たちから渡された花束を、笑顔で受け取られた(8日)
《戦後80年慰霊の旅》天皇皇后両陛下、7泊8日でモンゴルへ “こんどこそふたりで”…そんな願いが実を結ぶ 歓迎式典では元横綱が揃い踏み
女性セブン
犯行の理由は「〈あいつウザい〉などのメッセージに腹を立てたから」だという
「凛みたいな女はいない。可愛くて仕方ないんだ…」事件3週間前に“両手ナイフ男”が吐露した被害者・伊藤凛さん(26)への“異常な執着心”《ガールズバー店員2人刺殺》
NEWSポストセブン