◆ロボットハンド◆
ドラえもんの手は指のない球体状。物が吸い付く構造になっており、硬さや重さに関係なく掴むことができるようだ。(てんとう虫コミックス『ドラえもん』第20巻「ツモリガン」より)
多田隈建二郎・東北大学 タフ・サイバーフィジカルAI研究センター准教授が研究する「ロボットハンド」は、災害現場などで能力を発揮する魔法の手だ。
災害や産業廃棄物工場での利用を想定して開発されたロボットハンド。指の形をしていると物によっては潰したり、壊したりしてしまう。柔らかい袋状のゴム構造で対象物を包みこむことで、そうした難点を解消した。
●ただくま・けんじろう/1979年生まれ、熊本県出身。2007年東京工業大学大学院機械宇宙システム専攻博士課程修了。
◆「人間あやつり機」◆
ボタンひとつで人を自由に操ることができる道具。ボタンは「お手伝い」「肩叩き」「プロレス」などさまざま。(てんとう虫コミックス『ドラえもん』第9巻「人間あやつり機」より)
ムハマド・ヤメン・サライジ慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科特任講師が研究する「Fusion(フュージョン)」は、離れた場所にいる人を自在に操る。専用器具を動かすと、ロボット器具を装着している人がそのままの動きをする。遠く離れた人を操作することができるので、海外に住む人などに作業の仕方やスポーツのコツなど動作の手順を効率よく教えることができる。
●ムハマド・ヤメン・サライジ/1988年生まれ、シリア出身。2010年ダマスカス大学卒業。2018年慶應義塾大学大学院メディアデザイン科博士号取得。
※週刊ポスト2020年3月13日号