ビジネス

イベント自粛いつまで? 問われる企業の危機管理と再開判断

閑散とする企業のイベント会場(時事通信フォト)

閑散とする企業のイベント会場(時事通信フォト)

 感染拡大が止まらない新型コロナウイルス。企業は主催イベント・記者会見やセミナーなどを軒並み中止したり、慣れない社員の在宅勤務を実施したりと横並びの“自粛策”を講じているが、政府の後手後手で曖昧な指針にも振り回され、現場の混乱は増す一方だ。では、いつまで自粛を続けるべきか──。危機管理コンサルタントでリスク・ヘッジ社長の田中優介氏が、自社で判断できる基準を指南する。

 * * *
 政府は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ策として、当初から「イベントの開催等は一律での自粛は要請しない」としてきました。

 しかし、2月26日になって突如「大規模なスポーツや文化イベントを2週間、中止・延期または規模の縮小を要請する」としました。また、翌27日には、「全国の小中高と特別支援学校を、春休みを前倒しして3月2日から臨時休校するよう要請する」とも発表し、行政や民間企業には、従業員の休みを取りやすくする環境を整えるよう求めました。

 もちろん、新型肺炎の流行を抑えるためには、どちらも必要な措置ではあります。しかし、この突然の方向転換は、現場に大きな混乱をもたらしています。

 まずイベントなどの中止・延期要請については、『スポーツや文化イベント』という漠然とした括りにしたために、企業や個人に“迷いと萎縮”という反作用を生じさせてしまいました。

 小規模な社内外イベントでも、もし開催して感染者が出たら主催企業が責任を問われることになりますし、中止をした場合でも多額の損害を企業が負わなければなりません。そのような状況で、開催の是非を判断するのはツラいものです。

 結局、現在はイベントの種類や規模にかかわらず、横並びの自粛ムードが広がっていますが、政府の指針発表後も、危機管理コンサルティング業務を行う当社には多くの相談が寄せられています。「この発表会なら開いても大丈夫か?」「このセミナーも中止すべきなのか?」といった内容です。

 企業の中には決算期が12月のため、3月に株主総会を開くところもあります。「3月下旬の総会も開いてはダメなのか?」という相談もありました。株主総会の開催に至っては、法律で定められた行事ですので、判断に困ってしまうのも当然でしょう。

関連記事

トピックス

筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
日曜劇場『キャスター』で主演を務める俳優の阿部寛
阿部寛、小泉今日子、中井貴一、内野聖陽…今春ドラマで「アラ還の主演俳優がそろい踏み」のなぜ?
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン