対するセブン-イレブンでは、チャーハンやオムライスのおにぎり版といった変化球商品もラインナップに加えているものの、園田氏は次のように話している。
「おにぎりは毎日食べる方もいて、鮭やツナマヨなどの商品が基本メニューであることは普遍。面白味や新しさの打ち出しも、健康米を中心に検討していきますが、どこに注力するかはコンビニチェーンごとに少し違うでしょう。
当社では、毎日買っていただけるボリュームゾーンの優先度を高めています。最近は、セブン-イレブンでもたとえば牛肉を使ったおにぎりも結構、売れるようになってきていますが、あまり奇をてらわず、定番商品中心なのは変わりません。
また、ベーシックなおにぎりは、40代から60代の比較的年代の高いお客様に売れる傾向があって、そうした年代の方は食べる量が減っている中で、お弁当より相対的におにぎりを選ばれているのではないかと。
おでんなら、かき入れ時は冬場という季節的なトレンドがありますが、おにぎりは年間を通して相当な数の販売をしているので、いずれにしろ、飛びぬけて重要なカテゴリーなのです」
2018年度のおにぎり販売数22億7000万個という数字を聞けば、セブン-イレブンがいかにおにぎりに注力しているかが分かるだろう。ちなみに、自前のおにぎり専用工場はローソンで約40か所、SEJは倍の約80か所をそれぞれ擁し、その差も大きい。
「パン類は日持ちがするので、おにぎりに比べて廃棄ロスが少ない商材です。一方、自社工場で完結できるおにぎりに対し、パン類はプライベートブランド商品であっても、ある程度はパンメーカーさんの協力が必要になってくる。つまり、パン類よりもおにぎりのほうが総じて利益率は高いのです」
こう語るのはファミリーマートの幹部だが、同社では、パン類はおにぎりや弁当以上の売り上げがあり、大手パンメーカーを巻き込んで昨年、今年と「うまいパン決定戦」といったイベントも開催するなど、最近はパンに注力しているイメージが強い。