だからこそ、性教育は親子で行わねばならない。かわいい我が子もあっという間に大人になる。
「一番やってはならないことは、我が子から性や妊娠について聞かれたときに、“そんな話をしちゃだめ”とか“恥ずかしい”などの否定的な反応をすること。あとは、回答をうやむやにして、メルヘンや神秘を持ち出すことです」
ベストな性教育のスタートタイミングは、いつなのだろうか。
「それは、赤ちゃんはどこから生まれるの? という問いかけがあったそのときです。少々照れくさいかもしれませんが、“女の人のお腹の中に赤ちゃんのおうちがあって、お母さんのおまたを通って生まれてくるんだよ”とそのまま伝えればいいのです」
大切なのは、性の話をするのは普通のことという環境を作ることだという。
「夫婦間でも話し合ったり、情報共有したりしながら、子供のプライバシーにも配慮しつつ、子供が不安になった時にいつでも親に相談できる環境を整えていくことが性教育なんです」
こうした環境を整える真の目的は、我が子が幸せに生きること。それは、自立し、自分がやりたいことや、活力が湧くことに出会った時に、打ち込めることではないだろうか。そのなかで出産や中絶も、子供自身に選択の権利があり、それをコントロールすることが幸せな人生をつくることになる。
「親子間の性教育は、自分を受け入れ、愛することにつながっていきます。学校任せにせず、家庭でも、互いの先入観をなるべく持たずに、少しずつでも話してください。それは親子の信頼関係にもつながっていきます」
幸福な親子関係のために、話し合うことが必要なのだ。