ビジネス

五輪延期・中止なら湾岸エリアのマンション相場は総崩れか

湾岸エリアの東京・中央区に林立するタワマン(時事通信フォト)

湾岸エリアの東京・中央区に林立するタワマン(時事通信フォト)

 IOC(国際オリンピック委員会)はいまだ本格的な議論に入っていないが、日本列島を襲う“コロナショック”により、予定通りの東京五輪開催に暗雲が立ち込めている。万が一、延期や中止といった決断がされた場合、大きな影響を受けそうなのが東京の不動産市場である。住宅ジャーナリストの榊淳司氏が、最悪のシナリオを予測する。

 * * *
 あまり考えたくない事態ではあるが、もしかしたら「東京五輪が開催できない」という事態があり得るかもしれない──という情勢になってきた。

 例えば、仮に来週開催というスケジュールだったら、これは確実に中止か延期とせざるを得ないが、このまま新型コロナウイルスの感染拡大が続けば、延期でも「1年後」、もしくは「開催日未定」となってしまいそうだ。

 つまり、今の状況が5月頃までに急激に改善し、コロナウイルス拡散の終息が見えて来なければ、おそらくは「延期」か「中止」となるだろう。

 この場合、日本経済には大きな打撃となるはずだ。GDPに対するマイナス効果は数千億円で済むのか。あるいは兆の単位になる可能性だってある。そうなれば2020年の経済成長は、ほぼマイナスになることは確実。日本経済はリーマンショック以来の強烈な不況に突入することになる。

 困ったことに日本はこの未曽有の不況に対して、有効な金融政策を打てない。その理由は、金融緩和の選択肢がほとんど残されていないからだ。

 日本の金融政策は、リーマンショック後の金融緩和が中国やアメリカに周回遅れの時期に開始され、その後「物価上昇率2%」などという非現実的な目標を7年も掲げたせいで、今も異次元緩和状態が続いている。これ以上緩和のしようがない状態なのだ。

 そして、この迫りくる「五輪中止不況」で、最も甚大な影響を受けるのは不動産市場ではなかろうか。

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン