第三の『軽症患者の受け入れ施設の確保』とは、病院以外の入院施設を準備することです。患者数の増加に伴う病床の不足は目前に迫っています。これ以上、感染拡大をさせないため、病院には重症患者を入院させ、軽症患者は最近廃業した宿(蒲郡市の冨士見荘など)などに入ってもらう。閑古鳥が鳴いている観光地の大規模な宿を全館借り上げるなどしてもいいでしょう。そうすれば、温泉に浸かって免疫力を高めることもできるでしょう。
あるいは、企業が所有する避暑地の保養所や、公務員の保養所なども候補として考えられます。一番やってはいけないことは、クルーズ船のような悲惨な隔離です。あれこそが、国民の不安を高めた最大の原因です。もちろん、リフォームや医療スタッフの確保が必要ですが、こんな時こそ自衛隊や警察など公的組織の出番でしょう。
第四の『社会インフラの転用』は、余剰になってしまった学校給食の転用が考えられます。このまま小中高の臨時休校が長引けば、農業や酪農業の足腰を弱めてしまうばかりです。いま、各地で余った給食食材を地域住民に販売するなどの取り組みも進んでいますが、時差を用いて、学校給食をテイクアウトにするなどの施策もできると思います。
交通インフラという点では、開店休業状態の観光バスを、都心部への通勤の足にして、電車の通勤ラッシュを緩和することも考えられます。前述したホテルや旅館の病院化の移動手段としても、また観光バスが使えます。
いま、観光バスやタクシーといった業界はコロナショックで窮地に陥っていて、このままでは倒産する企業も続出するでしょう。そうなれば、観光のインフラが乏しくなり、その結果、アベノミクスの柱である観光立国への道が閉ざされてしまいかねません。