◆コロナで「終息宣言」を出す条件
SARSは2003年7月5日にWHOより終息宣言が出された。これは、台湾で発生したSARSにかかった可能性のある患者を6月15日から隔離し、2~10日間とされる潜伏期間の2倍の期間が経過したにもかかわらず、新たにSARSの患者が出なかったことによる。
また、MERSの韓国国内での感染拡大について、韓国政府は2015年12月24日をもって終息宣言を発表した。これも、2~14日間とされる潜伏期間の2倍の期間が経過しても、ウイルス患者が出てこなかったことによるとされる。なお、中東地域では、MERSはまだ終息していない。
今回の新型コロナウイルスでは、WHOは潜伏期間を1~14日と見積もっている(WHOのサイトより/2020.3.9)。この潜伏期間を前提として、SARSやMERSと同じ基準によれば、28日間、新たなウイルス患者が出ないことが終息宣言の条件になると考えられる。
新型コロナウイルスについては、現段階では小康状態や終息は見通せていないため、政府や自治体は、引き続き、さまざまな拡大防止策を進めていくものと考えられる。
一般市民の側でも、一人ひとりが手洗いなどの予防策を取る、集団感染を避ける(換気が悪く、人が密に集まって過ごすような空間に集団で集まることを避ける)など、感染を小康状態や終息につなげる努力を重ねることが必要だと思われる。