国内

百田尚樹氏を取材して驚かされた“感覚の普通さ”

百田尚樹氏の「特異性」はどこにあるのか?

 これまで安倍晋三首相の“応援団”と見なされてきた作家・百田尚樹氏が、新型コロナウイルス問題をめぐり、ツイッター上で安倍政権を「批判」したことが世間を驚かせた。それを受けて週刊ポスト2020年4月3日号では、百田氏へのインタビューを掲載。聞き手は、雑誌・ニューズウィーク日本版(2019年6月4日号)で特集「百田尚樹現象」の謎に迫ったノンフィクションライターの石戸諭氏だ。百田氏の言葉になぜ多くの人が反応するのか──インタビューを通して見えた百田氏の「特異性」について、石戸氏がレポートする(文中敬称略)。

 * * *
 百田尚樹現象は分断の時代の象徴だ。なぜ彼の言葉は多くの人の注目を集め、なぜ彼の本はベストセラーになるのか。反対側の人々──それはリベラル派と言い換えてもいいが……──は多くを誤解している。

 このインタビューは本来、5月に刊行を予定している書籍『ルポ 百田尚樹現象』の締めくくりの取材として、予定していた。そこに新型コロナウイルス問題が重なり、なぜ百田尚樹が安倍政権を批判したのかを掘り下げて聞くことにもなった。

 そこであらためて感じたのが、百田の言葉にあるあまりの「普通」さだ。彼はベストセラー作家であり、右派論壇のキーパーソンでもあり、関西では名高いテレビの構成作家だ。本人が特異な才能の持ち主なのは、周辺取材でも誰もが認めた。だが、私がもっとも特異だと思ったのは、感覚の「普通」さなのだ。

 長年、テレビで高視聴率番組に携わっているうちに身についたものでもあるのだろう。彼は街場の感覚を失わないまま、言葉を発している。例えば、彼はインタビューで「入国制限しなかった1月と2月はまったく評価できない」と批判したが、今は「ベストを尽くしている」と話した。なぜそう言えるのか。

 印象的な部分を抜き出しておこう。

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト