「インフルエンザは高熱が出て“明らかにインフルエンザらしい症状”が出ますが、新型コロナウイルスは普通の風邪と判別がつきにくく、グレーゾーンが非常に多い。待合室はそうした“感染しているかもしれない人”の近くに座らなければいけないので、かなり危険です。重症化していないだけで、実は新型コロナウイルスの患者さんが待合室で隣に座っていることも充分考えられる状況なのです」
待合室では、壁や手すりなど、患者が触る可能性のあるところなら、どこにでも新型コロナウイルスが付着している可能性がある。『病院でもらう病気で死ぬな!』(角川新書)の著者で、医師の堤寛さんが言う。
「ウイルスは床から舞い上がって感染に至るケースはほとんどないため、床の消毒は基本的に無用です。しかし、子供がふざけて床に寝そべったり、高齢者が転びそうになって手をついたりすると、床に付着しているウイルスが手や体についてしまう」
接触感染のリスクが高まり、その手で待合室のいろんな場所を触れば、床にいたウイルスがあちこちに広がることにもなる。
長時間待機する長椅子も例外ではない。直接椅子に手を触れなくても、スマホを一時的に椅子に置き、それを再び手にすれば、当然ウイルスが付着してしまう。
待合室に設置されているウオーターサーバーも要注意。水を出すときのボタンやコップを取り出すボタンを、どれだけ多くの人が触っているかわからないからだ。
※女性セブン2020年4月9日号