国際情報

習近平政権の反腐敗運動 コロナ禍でも大量の官僚を処分

3月10日、武漢を視察した習近平国家主席(Avalon/時事通信フォト)

 新型コロナウイルスは中国社会に大きな影を落としたが、変わらなかったものもある。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 封鎖されていた武漢が条件付きながら解除の方向に向かっている。すでに路線バスが動き始めタクシーも営業を開始した。これに先駆け中国全土を覆っていた重い空気も緩み始めた。各都市は、「まるでパニック映画のワンシーンのようだ」と表現された閑散とした雰囲気から解放されつつある。

 だが、そんな死んだようになった社会の中でも活発に動き続けていたものもある。例えば、習近平国家主席が大好きな「反腐敗」である。

 3月24日、国家監察委員会は、2020年の年明けから2月29日までの期間に全国で処分された官僚の数を公表した。その数、なんと1万6965人であった。つまり、新型コロナウイルスの感染拡大で全国が呻吟するなかで、毎日282件を上回るペースで処分が繰り返されてきたというのだ。ちなみに処分された人数にすると1日414人とさらに跳ね上がる。

 その処分の基準となったのが「8項目の規定」である。かつて習近平政権がスタートしたばかり頃に「贅沢禁止令」とも呼ばれた規定だ。当時は専ら幹部たちの贅沢な飲食がメインのターゲットだったが、今回の処分の中身を見る限り、それは「官僚主義」、「形式主義」にターゲットが移っているようにも思われる。なかでも圧倒的な人数なのが職務を履行する上での問題である。経済発展や生態保護の問題で、やっているふりをして仕事をしないサボタージュ、責任を持って仕事をしない、デタラメをやるといった問題だ。

 厳しすぎる習政権下で地方の官僚はすっかりやる気を失っているというが、まだまだ飴を与える空気は醸成されていないようだ。

関連記事

トピックス

モデル・Nikiと山本由伸投手(Instagram/共同通信社)
「港区女子がいつの間にか…」Nikiが親密だった“別のタレント” ドジャース・山本由伸の隣に立つ「テラハ美女」の華麗なる元カレ遍歴
NEWSポストセブン
米大リーグ、ワールドシリーズ2連覇を達成したドジャースの優勝パレードに参加した大谷翔平と真美子さん(共同通信社)
《真美子さんが“旧型スマホ2台持ち”で参加》大谷翔平が見せた妻との“パレード密着スマイル”、「家族とのささやかな幸せ」を支える“確固たる庶民感覚”
NEWSポストセブン
高校時代の安福容疑者と、かつて警察が公開した似顔絵
《事件後の安福久美子容疑者の素顔…隣人が証言》「ちょっと不思議な家族だった」「『娘さん綺麗ですね』と羨ましそうに…」犯行を隠し続けた“普通の生活”にあった不可解な点
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン