外出自粛の暇つぶしに、過去のレースをチェックし始めてみたらやめられなくなった。今回出走しない馬を「物差し」にしたりしているときりがない。たとえばスワーヴリチャードは今回出走馬相手では昨秋のJCで3頭を退けるなど8勝3敗だが、春の中山記念ではラッキーライラックに先着されているとか、そのJCで2着のカレンブーケドールがクロノジェネシスとは4回走って1勝3敗と負け越している等々。
むろん、過去のデータ、とくに同じレースに出走した時での後先などは、馬券検討の参考といった程度。ましてや「物差し」などが、主要ファクターにならないのは承知している。「勝負づけがすんでいる」などというのは人間が勝手に考えることだし、その時々の調子もある。
それでも、ここでは「勝負づけがすんでいない」牝馬2頭、ラッキーライラックとクロノジェネシスを軸にしたい。ともにサンデーサラブレッドクラブの所属馬で調教師は師弟関係にある。2016年に募集されたラッキーライラックは3000万円、2017年募集のクロノジェネシスは1400万円。牝馬でも7000万、8000万という馬がいる中ではリーズナブルで、募集時の人気ではともに30位までに入っていない。すでにラッキーライラックは4億円、クロノジェネシスも3億円以上を稼ぎ出し、2頭ともドバイ・シーマカップに選出されていたが、辞退してこちらに照準を合わせてきた。一口会員ならば、こういう馬にこそ巡り合いたいものだ。
この2頭と、後先の理屈では一番強いことになるダノンキングリーの馬連3頭ボックスをメインに、ブラストワンピースとワグネリアンをからめた3連単フォーメーション。穴っぽいところでは、せっかくこんな集計をしたので、やはり「勝負づけがすんでいない」サトノソルタスを加えてみる。
●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。