厚労省は企業がこの制度を積極的に利用するように呼びかけており、たとえ休業が広がっても、解雇されるケースはかなり減ると見られている。
「会社の経営が厳しいときに、再雇用で残るのは心苦しい」などと考える人は多いかもしれないが、むしろ会社に積極的に雇用調整助成金を利用してもらって、いまは休業手当をもらいながら雇用延長してしのぐことを考えるほうが賢明だ。
そのうえで、コロナの感染終息後をにらんで年金戦略を立てていく。
「70歳まで雇用延長されるのであれば、できるだけ長く働きたい」
そう考えている人は、65歳からは年金をもらいながら働く選択が有効だ。今回の年金改正で、「在職定時改定」という制度が新設される。
サラリーマンが65歳以降も厚生年金に加入して働く場合、1年ごとに年金額が再計算され、前年に支払った保険料の分が次の年の年金に上乗せされて支払われる仕組みだ。65歳で年金受給開始した後も、70歳まで働けば5年間、毎年、年金がアップしていくのである。
この在職定時改定が実施されると、すでに年金をもらっている人も、70歳まで厚生年金に加入して働けば毎年年金アップの恩恵が受けられる。
※週刊ポスト2020年4月17日号