フランスでは禁止されているものがこれほどある(取材をもとに本誌『女性セブン』が作成)

 白色の着色料で、「二酸化チタン」「酸化チタン」と呼ばれる食品添加物がある。フランスでは、今年から食品添加物として使用することが禁止された。

「とても微細な『ナノ粒子』のため、体内の組織を通過しやすく、発達障害やがんを引き起こす恐れがあるとわかりました。フランスでは大きな問題となり、食品への使用が禁じられました」(羽生さん)

 二酸化チタンは、歯磨き粉や化粧品といった日用品にも使われている。消費者問題研究所代表で食品表示アドバイザーの垣田達哉さんが話す。

「ホワイトチョコレートやチューインガムに使われていることが多く、食品表示を見ると、『着色料(二酸化チタン)』と書かれています。日本では、食品への使用を禁止する動きはありません」

 フランスでは禁止の着色料はまだある。食品ジャーナリストの郡司和夫さんが言う。

「黄色い色を出す色素で、発がん性が指摘される着色料『カロテノイド』です。日本では、メロンパンやロールパンなど、主に菓子パンに使いますが、EUでは使用が禁じられています」

 フランスといえばパン。日本ではこの3月、山崎製パンが一部の食パンで「臭素酸カリウム」の使用を再開すると発表し、注目を集めた。食パンの品質改善に必要であること、使用した臭素酸カリウムは最終的な商品には残存しないことなどを公表しているが、賛否両論が起こっている。

「臭素酸カリウムは、パンをふんわりさせる効果がある食品添加物です。発酵を早めるので、大量生産を可能にします。ただし、発がん性があることは明らかであり、最終的な商品への残存の有無に限らず、EUでは使用禁止です」(郡司さん・以下同)

 加工食品が豊富な日本は、保存料の多用も問題だ。「ナイシン」という保存料は、EUではチーズなどの乳製品に限って使用されているが、日本ではハムなどの食肉製品、ソース、マヨネーズなどさまざまな食品に使われている。

「ナイシンの成分は抗生物質です。食品から過剰に摂取していると、体内に『耐性菌』が出現し、いざというときに抗生物質が効かなくなる恐れがあります」

 主に加工肉などの“かさ増し”のために使われる「加工でんぷん」も、EUでは使用が制限されている。「加工でんぷん」として用いられる添加物は11種類あるのだが、そのうち2種類に対し、欧州食品化学委員会は、「安全情報が不足している」と判断し、乳幼児食品への使用を禁じている。しかし、日本では規制がない。

※女性セブン2020年4月23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン