誤嚥性肺炎の初期症状は発熱やたん、咳など風邪と似た症状のほか、食事中にむせる、食後にたんが増える、錠剤が飲み込みにくい、食事に時間がかかるなどがある。
「大切なのは、日常生活でできるだけ会話をすることです。シニアでも仲間とワイワイ楽しんだり夫婦でお喋りするなど、オーラルコミュニケーションを心がけてほしい」(同前)
家で一日中“だんまり”は危ないということだ。
◆男は脳出血、女は脳梗塞
死亡者数が多いがん、心臓病、脳卒中の3大疾病では、それぞれに男性が重症化しやすい傾向が見られるものがある。
心臓病で男性の死亡率が高いのが、狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患だ。心臓病の専門医である銀座泰江内科クリニック院長の泰江慎太郎医師が指摘する。
「冠動脈が狭くなり、血流が滞る狭心症の場合、女性よりも男性のほうが冠動脈の狭窄度が高くなったり、冠動脈の根元で狭窄が起きるケースが多く、重症化しやすい。冠動脈が完全に塞がれて心筋細胞が壊死する心筋梗塞でも、男性が発症したときには手遅れという人が少なくありません」
泰江医師が続ける。
「狭心症や心筋梗塞の主な原因は動脈硬化です。女性ホルモンのひとつで、卵巣から分泌されるエストロゲンには、動脈硬化の原因となる血中の悪玉コレステロールの増加を抑制し、動脈硬化を防ぐ善玉コレステロールの増加を手助けする働きがあるとされます。男性はこうしたホルモンをほとんど持たないため女性よりも重症化しやすいと考えられます」