「反主流派には安倍政権下で長年干されてきた“怨念”が溜まっているから、総裁選でどちらが勝っても自民党は分裂状態で政権運営に苦しむ。コロナの収束次第では年内の解散・総選挙もあり得る。その時は自民党の2つの勢力がバラバラに選挙を戦う分裂選挙になるかもしれない」
その時が小池氏の出番だ。7月の都知事選は自民党が候補者擁立を断念したことから小池圧勝が確実視されている。その後、解散・総選挙となれば、小池氏は待ってましたと「都知事ができることには限りがある。国政でコロナ対策の指揮を執る」と総選挙に出馬し、二階-石破陣営の「看板」として応援に全国を回る。
小池氏は前回総選挙で野党再編により希望の党を結成し、安倍自民に挑んだが敗れた。今回は自民党の反主流派と組んで総理を目指す。それが第2の“小池の乱”のシナリオだ。
「前回の都議選でも小池氏は公明党と政策協定を結んで応援にも入った。次の総選挙は公明党にとっても苦戦が予想されるため、小池人気が続いていれば連携して恩を売ることができる」(前出・野上氏)
そして総選挙に二階陣営が勝利すれば小池氏は自民党に復党し、石破氏の次の総理総裁候補だ。
奇しくも小池氏、二階氏、石破氏、そして公明党はかつて旧新進党で自民党と戦った同志でもある。そのメンバーが安倍退陣後に自民党を“乗っ取る”日が来るのか──。
※週刊ポスト2020年5月8・15日号