おなじみとなった安倍首相のマスク姿(時事通信フォト)
この日を境に盤石に見えた安倍首相の政権基盤が一気に崩れ始めた。役員会後に開かれた自民党の政務調査会や総務会では、これまで安倍批判ができなかったベテラン、若手から、「閣議決定を変えるのは異例中の異例だ」「こんなことでは選挙で戦えない」と不満が噴き出したのだ。二階側近議員が語る。
「二階さんはリーダーシップで小池氏に見劣りする安倍総理に見切りをつけた。危機に立ち向かうモチベーションを失っているからだ。公明党・創価学会も同じ認識で総理の交代はやむを得ないとの考えに傾いている」
“安倍降ろし”のシナリオも整いつつあるという。
「内閣支持率が30%割れの事態になれば、まず公明党が連立離脱を突きつける。そうすれば自民党内から選挙に不安な若手議員たちが騒ぎ出して収拾がつかなくなる。そこに二階さんが仲裁に入り、公明党との連立維持と引きかえに安倍総理に総辞職を進言する」(同前)
政権運営に自信を失っている安倍首相は受け入れるしかないとの読みだ。
◆自民党復党への道
安倍首相が途中退陣すると、自民党総裁選は再登板をめざす麻生太郎・副総理と、二階氏と反安倍勢力が担ぐ石破氏との戦いになる可能性が高い。
「党員投票を実施するなら石破、両院議員総会で決めるなら麻生が有利」(自民党ベテラン)
下馬評ではそう見られているが、政治ジャーナリスト・野上忠興氏はこう指摘する。