国際情報

中国がコロナ報告義務違反や隠ぺい等で賠償請求される可能性も

米中関係に注目が集まる(写真/AFP=時事)

 新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、米国と中国が衝突を繰り返している。中国が初動対応で感染情報を隠蔽した可能性を念頭に、ドナルド・トランプ米大統領が「中国が故意に引き起こしたなら報いを受けるべき」と発言すると、中国側は「中国も被害者であり加害者ではない」「エイズは最初に米国で発見されたが、米国に責任追及した者はいるのか」などと反論した。

 作家で経済評論家の渡邉哲也氏はこう言う。

「米国や英国は、WHOに中国の潔白を証明するよう訴えています。しかも、武漢での感染拡大当初、中国に言われるがまま1週間近く新型ウイルスの公表を遅らせたWHOの調査は信用ならないとして、第三者機関でやるように求めています。

 また米国は、WHOのテドロス事務局長と中国との間に金銭的癒着がないか“洗って”もいます」

 一連の調査で中国によるWHOへの報告義務違反や隠蔽が認められれば、重過失として中国に賠償義務が生じ、各国からの請求が相次ぐ可能性があるというのだ。英シンクタンクも「米英や日本などG7の損失は約4兆ドルに及び、中国はこれを賠償すべき」と報告している。

 もちろん中国が素直に応じるはずはない。その場合、米国が講じる最も強硬な手段として考えられるのが、中国が保有する米国債の「無効化」をチラつかせることだ。

「米国債の無効化は、米国の国際緊急事態経済権限法(IEEPA)に基づき、理論的には可能です。そこまで行かなくても、各国にある中国政府系の資産を凍結・没収することはあり得る。もしそうなれば米中経済戦争の勃発です」(同前)

関連記事

トピックス

サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
香港の魔窟・九龍城砦のリアルな実態とは…?
《香港の魔窟・九龍城砦に住んだ日本人》アヘン密売、老いた売春婦、違法賭博…無法地帯の“ヤバい実態”とは「でも医療は充実、“ブラックジャック”がいっぱいいた」
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)
《「御三家」橋幸夫さん逝去》最後まで愛した荒川区東尾久…体調不良に悩まされながらも参加続けていた“故郷のお祭り”
NEWSポストセブン
麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン