スポーツ

NHKマイルCをヒモ荒れと見るなら、狙い目の種牡馬はこれだ

種牡馬としても活躍するクロフネ

 3歳馬によるマイル王決定戦はヒモ荒れ傾向の強いレースである。競馬ライターの東田和美氏が狙い目を考察した。

 * * *
 これまでの24回で1番人気馬が10勝、単勝の払戻金が500円以下だったのが13回と聞けば堅そうなイメージだが、10番人気以下が16頭も馬券圏内に入っており、馬連が1000円以下だったのは2回しかない。3連単が発売されてから15回だが、10万円以上が10回でうち3回が100万馬券。

 今年は桜花賞で1番人気に支持されて2着だったレシステンシアと、クラシックには目もくれず、このレースを目標にしてきた馬たちとの闘いとみられている。

 芝の中長距離なら、ディープインパクトにハーツクライ、ステイゴールドのSS御三家にキングカメハメハ産駒の争いになることが多いが、若駒のマイル戦に強いのがダイワメジャー産駒。3歳春までのマイルGⅠで7勝、うちNHKマイルカップでも3勝と、上記ビッグ4を上回っている。もちろんレシステンシアには心強いデータだし、ハーモニーマゼランも無視できない。

 だがこのレースの種牡馬と言えば、フレンチデピュティとクロフネの親子。

 2001年にはクロフネが圧倒的人気に応えて勝ったが、この時の2着馬グラスエイコウオーもフレンチデピュティ産駒の外国産馬。その後フレンチデピュティは輸入され、2007年にはピンクカメオが17番人気で激走。このレースへの出走は7頭で2勝2着1回。母の父としても2013年の覇者マイネルホウオウがいるなど縁が深い。

 フレンチデピュティ産駒はアイビスSDを勝ったサンアディユから天皇賞(春)のアドマイヤジュピタまでいて、まさに距離不問。クロフネはマイルの芝・ダートGIとも1分33秒台で勝っているし、サウンドトゥルーなどのダート巧者を送り出していながら、芝マイルでも桜花賞馬レジネッタがいる。

 クロフネ産駒も毎年クラシック候補を送り出すような派手さはないものの、このレースでは2015年クラリティスカイ、2017年のアエロリットと2勝。2008年にブラックシェル、2013年にインパルスヒーローが2着になっている。

「ダート最強馬」と言われているクロフネだが、産駒はヴィクトリアマイル勝ちホエールキャプチャや、スリープレスナイト、カレンチャンなど芝での活躍馬も多い。父同様アイビスSDのセイコーライコウがいるかと思えば、3200mどころか4250mの中山グランドジャンプを勝ったアップトゥデイトもいるなど、スピードとスタミナを兼ね備えた万能種牡馬だ。初年度産駒のフサイチリシャールが1番人気に支持されるなど、NHKマイルカップにはコンスタントに出走馬を送り出している。

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト