コロナ休校でも動じない子供もいる(写真/PIXTA)

 しかも、理事会が動く前に、気づけばクラスや学年単位でSkypeやZoomを使った授業が始まっていた。横並びを気にしたり、上からの指示を待つのではなく、教師一人ひとりの判断で、“いま必要なことは何か”と考え、行動に移していました」(吉原さん・以下同)

 城南信用金庫の顧問でもある吉原さんは、ビジネス界における混乱も、日々、目の当たりにしている。吉原さんによれば、コロナ禍でも力を発揮できる人材と、そうでない人材とに二分されたという。

「日本の企業の多くは、人事評価に業績評価を取り入れ、規則で縛っています。実はこれが、日本経済を弱体化させている。上から評価されることを行動の軸に置いてしまうと、自分の頭でものを考えなくなるからです。行動理由が常に外発的動機で、どうやったら周りから評価されるかが判断基準になってしまい、“困った人をどう救うか”“自分に何ができるか”という発想が出てこない。すると、イレギュラーな事態に思考が停止して、適切に行動できなくなる。もちろん、危機的状況を打ち破るような、新たな打開策など生み出せません」

 吉原さんは、そもそも日本のリーダー・安倍晋三首相が、外発的動機で行動していると指摘する。

「布マスク2枚の配布も星野源さんの動画コラボも、“これをやったら、ウケるだろう”という自己保身の考えが根底にあるのだと思います。つまり、“人のため”ではなく、“自分のため”。しかも周囲には、“言われたとおりにやれば怒られない”という指示待ちの部下が集って、助言すらできない。適材適所の人物が力を発揮して早々にコロナを制圧した台湾政府とは大違いです」

 桜丘中を卒業した前出の男子生徒は、コロナ禍後の社会が、もしおかしな方向へと変わってしまったらどうするかという質問に、こう答えた。

「そのときは、自分たちで、社会を正しく変えていけばいいだけのことです」

 干渉より、ただ見守る。そんな環境で育った15才の方が、どこぞの首相より、強いリーダーシップを感じさせる。

※女性セブン2020年5月21・28日号

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
《重い病気を持った子を授かった夫婦の軌跡》医師は「助からないので、治療はしない」と絶望的な言葉、それでも夫婦は諦めなかった
女性セブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン