スポーツ

9月入学実現なら箱根が「学生最後の駅伝」ではなくなる?

1年生ランナーの活躍は激減か(時事通信フォト)

 新型コロナウイルスの感染拡大で休校が続く中で浮上してきた「9月入学」だが、実際に行なわれた場合の影響は相当大きなものになりそうで、学校の部活動も様変わりすることになる。大学スポーツでは、とりわけ「駅伝」への影響が大きそうだ。

 大学3大駅伝は10月の出雲、11月の全日本、そして1月2、3日の箱根駅伝だ。スポーツライターの酒井政人氏は9月入学による「1年生ランナー」への影響を懸念する。

「現状、新入生は4月から7月にかけて中長距離のトラック競技会を転戦します。7月の北海道でのホクレンディスタンスチャレンジなどで鍛えながら、夏の合宿で距離を延ばしていく。

 高校卒業直後でも10kmまでは対応できるが、箱根の20kmは厳しい。春から時間をかけて秋の駅伝シーズンに備えるわけです。9月入学になると、その準備期間がなくなってしまう」

 10月の出雲は最長区間が10.2km(最終6区)、11月の全日本も多くの区間が9~12km程度で、“9月入学直後の1年生”も対応できる可能性があるが、ハーフマラソンの距離を走る10月の箱根予選会などは1年生には厳しくなりそうだ。

「本番の箱根も、今年の“花の2区”で快走した青学大の岸本大紀君や3区で区間新を出した駒澤大の田澤廉君のようなスーパールーキーは出づらくなるでしょう」(同前)

 東京五輪マラソン代表の大迫傑は2011年の箱根1区で、1年生(早稲田大)ながら区間賞を獲得したが、そうした“衝撃のデビュー”は見られなくなるかもしれないのだ。

「箱根の時期をずらす可能性はほぼゼロでしょうからね。正月だから視聴率が取れて話題になる。ただ、出雲や全日本を2月や3月にずらす可能性はあるかもしれない」(同前)

 その場合、4年生の箱根での走りを実況で「学生最後の駅伝です!」と盛り上げられなくなる。

※週刊ポスト2020年5月22・29日号

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン