1999年、初出場するNHK紅白歌合戦リハーサル室で(時事通信フォト)

1999年、初出場するNHK紅白歌合戦リハーサル室で(時事通信フォト)

 結局、コチラはなんだかんだ言っても1990年代から現在までを駆け抜けてきたアユ(浜崎あゆみ)とマサ(松浦勝人)から目が離せてないわけで。現在は圧倒的なスターがいない時代である。だからこそ、平成という時代にカリスマと君臨していた浜崎あゆみの熱量に引きつけられる。スターのサクセスストーリーは誰しもが興味を持つもの。これだけでも十分すぎるのに、更に昭和的スポ根要素を加わる。浜崎あゆみ全盛期を知る人にとってはもうたまらないのだ。

 そもそもドラマ『M~愛すべき人がいて~』は原作がノンフィクション作家による「事実を基にした」フィクション小説である。ドラマHPをみると「原作に”ドラマならでは”のオリジナル要素を加えて、壮大なスケールで描いていきます」と記載されていた。「激動の音楽業界の光と影を圧倒的なスケールで描く」とコピーが打たれているが「本当の音楽業界は違うだろ!」とツッコミを入れたくなる……が、そんなことを言うのは野暮である!

 演者の熱演が光るドラマではあるが、唯一気がかりな点が第4話以降の放送が未定なことである。制作上の都合なので仕方はないが、早く続きを観たいものである。

 現状、僕は『M~愛すべき人がいて~』に大きな可能性を感じている。その時代に大きなブームを起こしたドラマは、これまで数々のコメディアンによってモノマネされ、パロディになり、元のドラマを知らない人にも伝えられる存在となってきた。マサのセリフ「俺を作った虹を渡れ」が、ドラマを観なかった人にも届くパワーワードとなるのを期待したい。

●ヨシムラヒロム/1986年生まれ、東京出身。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。イラストレーター、コラムニスト、中野区観光大使。五反田のコワーキングスペースpaoで月一回開かれるイベント「微学校」の校長としても活動中。著書に『美大生図鑑』(飛鳥新社)

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