ああ、こんなにたくさんの気づきを与えてくれていたなんて。もしかしたら、極端にダサいマスクにしたのも、不良品がたくさん混じっていたのも、製造に至る過程や配布がグダグダなのも、こうした恩恵を国民に与えようという深慮遠謀があったのかもしれません。
確実に言えるのは、まさにアベノマスクのおかげさまで、国民全体の危機感(黙って政府の言うことを聞いていたらとんでもないことになる)は高まりました。多くの人が不自由な自粛生活に耐えて、今のところ新しい感染者が減っているのも、多くの批判を受けて政府が一律10万円給付を決めたのも、アベノマスクのおかげさまです。
アベノマスクというでかい石ころから広まった波紋は、どんどん大きな波となっていきました。検察庁法改正案の今国会成立が見送りになったのも、驚きの展開で黒川検事長が辞職することになったのも、広い意味ではアベノマスクのおかげさまと言ってもいいでしょう。
ありがとう、アベノマスク! やがて届いたら、静かに手を合わせ、複雑な感情を抱きつつ、あらためていろんな意味で「ここで気を緩めてはいけない」と自分に言い聞かせたいと思います。