このような賠償請求額について、中国外務省報道官は記者会見で、「中国政府は速やかにWHOや米国を含む関係国・地域に新型ウイルスの情報を提供してきた。これらの訴訟は乱訴というべきだ」と強い不快感を示している。
また、共産党機関紙『人民日報』系の『環球時報』は7日付朝刊で「ウイルスはいかなる国にも出現する可能性があり、どの国が最初にまん延しようとも法的責任はない。世界的な疫病のいくつかは最初に米国で広まったが、米国に賠償を求めた国はない」とする大学教授の論評を掲載した。
崔天凱・駐米国中国大使も「世界的な経済停滞を招いたアメリカ発のリーマンショックや世界恐慌などで、アメリカに賠償を求めた国はない」と強調。さらに、崔氏は米紙『ワシントン・ポスト』のコラムに寄稿し、新型コロナ感染拡大の原因が中国にあるとの主張は、世界の2大経済大国である米中を「分断」する恐れがあると指摘した。崔氏はまた、中国への疑念の高まりが新型コロナとの闘いや世界経済の再始動における米中協力を脅かしているとの見解を示している。