改札外乗り換えの時間拡大を周知するために、東京メトロが配布しているチラシ

改札外乗り換えの時間拡大を周知するために、東京メトロが配布しているチラシ

 つまり、虎ノ門ヒルズ駅は東京メトロ日比谷線に新駅が開業するというだけの影響にとどまらず、バスターミナルの整備、そして環状2号線の開通といった東京の交通網全般を大改造する触媒になるものだった。

 虎ノ門ヒルズ駅が果たす役割は、目に見える交通網体型の変化だけではない。虎ノ門ヒルズ駅の開業日と同じ6月6日から、東京メトロが定めていた改札外での乗り換えルールが変更される。これも、地味に大きな変化だ。

 東京メトロは、東京都の中心部に9路線、全長で約195キロメートルを有する。これだけ大規模な路線を有しているので、電車一本でたいていの目的地まで行くことができる。仮に一本で行くことができなくても、他路線に乗り換えれば大抵の場所まで行くことが可能だ。東京メトロの路線ならば、電車を乗り換えても運賃は通算の距離で算出される。他路線に乗り換えても、初乗り運賃を払う必要はなく、きっぷを買い直す手間もない。

 通常、東京メトロの路線を乗り換える場合は改札内の通路を使ってホームを行き来する。しかし、東京メトロには、構造上の理由から改札内でホームをつなぐことができなかった駅もある。そのため、乗り換えのために改札をいったん出なければならない駅がいくつかある。いったん改札を出る乗り換えは、改札外乗り換えと呼ばれる。

 新たに開業する日比谷線の虎ノ門ヒルズ駅は、銀座線の虎ノ門駅と約400メートル離れている。駅名も異なっているが、東京メトロは虎ノ門ヒルズ駅と虎ノ門駅を乗換駅に設定した。両駅間は地下通路で結ばれているが、乗り換えるには改札外へいったん出る。つまり、改札外乗換駅になっている。

 虎ノ門ヒルズ駅と虎ノ門駅は約400メートル離れている。これで乗換駅なのか?という疑問もあるだろうが、東京メトロにはそれを上回る改札外乗換駅がある。

 半蔵門線の水天宮駅と日比谷線の人形町駅、有楽町線の新富町駅と日比谷線の築地駅などは、通路でつながってさえいない。両駅間で乗り換えるには、いったん地上に出る必要がある。改札外乗り換えは、慣れていないと大いに戸惑う。特に、いったん地上に出る乗り換えは混乱必至だ。

 東京メトロのほか、札幌市営地下鉄、OsakaMetro、神戸市営地下鉄、福岡市営地下鉄にも改札外乗り換え駅はある。福岡は改札外乗り換えの適用時間を120分に設定するなど、乗り換えというよりも途中下車のような設定をしている。

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