仮に、お店の再雇用まで失業保険で暮らす予定だと注意が必要です。失業保険の給付は「就職しようとする積極的な意思があり、いつでも就職できる能力があるにもかかわらず、本人やハローワークの努力によっても、職業に就くことができない『失業の状態』にあること」が前提になっているからです。会社の業績が苦しい間、従業員を一時解雇し、その間、失業保険を受給させ、再雇用までの負担を軽滅するのは不正受給とされ、結果的にその返還も含め、3倍返しを求められることがあります。
現在、日替わりのように一時帰休でも失業保険が利用できる制度や雇用助成金の上乗せなどが計画中と報じられ、休業中の人件費負担が軽減される可能性もあります。今後の動きを注視してください。
【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。
※週刊ポスト2020年6月26日号