改めてM-1の歴代王者を振り返ると、どのコンビも文句なしにおもしろかったですね。これもM-1のすごいところ。今見ても、ほんま、おもしろい。大会によっては、こっちのコンビの方がおもしろかったのに……みたいなこともあるものですが。それがM-1というコンテンツの底力なんでしょうね。
1つだけ注文を付けるとしたら、優勝したときの漫才を、その後、超えたコンビがいないということかな。M-1という特殊な舞台だったからこそ、あれだけの力が出せたのかもしれませんが、そこはあきらめずに追い求めて欲しいと思いますね。もちろん、漫才以外にもどんどん挑戦してええんやけど、漫才も大事にして欲しい。M-1で優勝したときより断然おもしろくなったと言われるコンビが出てきたら、僕は大拍手を送りたいですね。
●聞き手/中村計
※週刊ポスト2020年7月3日号