“夜の街”が見せしめに…(時事通信フォト)
《補償をしっかり出す代わりに、営業停止をやる。それが政治の役割です。ボヤはボヤのうちに消さないと、一気に火が広がるんです》
限られた地域の、限定業種への補償は、いまの財政でも充分にできる。だが、小池都知事は「夜の街に行かないで」と呼びかけるのみ。そこには彼女の思惑が透けて見える。
「営業停止にしてしまったら、『コロナは夜の街だけで流行している』という言い逃れができなくなります。そもそも小池さんの政治手法は、次々に“敵”を作って勢いよく攻撃し、世間を味方につけるというもの。過去には、石原慎太郎元都知事や森喜朗元首相を悪者に見立てた。コロナでも最初はパチンコ店を敵視し、次が夜の街だったわけです。“敵は生かさず殺さず”が彼女のやり方です」(全国紙社会部記者)
医療ガバナンス研究所理事長の上昌広さんは「夜の街を見せしめにするのは2つの面で大きな問題」と指摘する。
「夜の街を袋叩きにしたら、『陽性になったらそこまで叩かれるのか』と思った人が、陽性がわかったときの非難や経済的被害などを恐れ、感染の可能性があっても検査を避けるようになる。その結果、感染はどんどん拡大します。経済活動を再開すれば感染者が増えるのは当然で、どの職種でもコロナに感染する可能性があります。それなのに夜の街だけ吊るし上げたら、ほかの本当に危険な感染拡大スポットを見落とす恐れがあります」
※女性セブン2020年7月23日号