超加工食品に入る危険な成分と健康被害
まさに“早い、安い、うまい”ものばかり。当然ながら、冷凍食品やインスタントラーメン、コンビニの弁当や総菜なども該当する。これらのほとんどが、食べ続けると体に害を及ぼすのだ。
世界各地から報告されている超加工食品の健康被害は、ショッキングなものが多い。
「2019年2月、アメリカの医師会誌に“45才以上のフランス成人4万4551人を対象に長期の追跡調査を行った結果、超加工食品を消費する割合が10%アップすると、死亡リスクが14%上がる”という報告がされました。
また、2018年の英国の医師会誌の報告では、発がんリスクの上昇が示唆されています。今年のブラジルの研究チームのレポートでは、超加工食品の消費量が10%上昇すると肥満になる確率が18%上昇することがわかりました」
2015年、豪州のディーキン大学のチームは、さらに衝撃的な研究結果を報告した。
焼き肉やソーセージ、ハンバーグ、ステーキ、ポテトチップス、清涼飲料水を摂取している人たちは、脳の左側の「海馬」が萎縮しやすいということがわかったのだ。
「詳しくは解明されていませんが、アルツハイマー病や軽度認知機能障害の患者は、左の海馬が小さくなる傾向があります。海馬は学習や記憶のほか、抑うつなど気分の調節にも関与している器官。また、左脳は右脳に比べてアルツハイマー病になったときに影響を受けやすいといわれます」
つまり、超加工食品を食べ続けると、認知症やうつのリスクも上がるのだ。これほどの危険性がありながら、超加工食品を食べ続けてしまうのは、単に「便利だから」というだけではない。これらは往々にして塩分や糖分、脂肪分が多く、1食でかなりの量を摂ることになる。それが“超加工食品依存症”につながるというのだ。
「米国のイェール大学の研究によると、超加工食品を食べると、脳内の快楽を司る『報酬系』の神経回路が活性化する。つまり、一度食べるとますます食べたくなり、“依存症”のようになるのです」(小倉さん)
◆お腹の中で有害物質に変化
消費者問題研究所代表で食品表示アドバイザーの垣田達哉さんが話す。
「超加工食品は、塩分、糖分、脂肪分が非常に多い。塩分の摂りすぎは高血圧、心臓病や循環器疾患につながります。『アスパルテーム』や『スクラロース』などの人工甘味料も、砂糖と同様に“肥満ホルモン”といわれるインスリンに作用し、摂りすぎは肥満や糖尿病を招きます」