インスタントラーメンはよく塩分と脂肪分の多さが健康に悪いと指摘されるが、それだけではない。食品ジャーナリストの郡司和夫さんが言う。
「麺を揚げるとき、多くがヤシの実からとれる安価なパーム油が使われていますが、これは心疾患(心臓病)や糖尿病のリスクが上がるといわれる飽和脂肪酸を多く含みます。輸送時にパーム油が酸化するのを防ぐために使われる『BHA(ブチルヒドロキシアニソール)』という食品添加物は1998年、動物実験で発がん性が確認されています」
高温の油で揚げたファストフードやスナック菓子などは、トランス脂肪酸による被害が心配だ。
「米ハーバード大学の研究によれば、摂取するトランス脂肪酸のわずか2%を不飽和脂肪酸に置き換えただけで、心疾患リスクが53%も減ったという結果が出ています」(大西さん)
また、ハムやベーコンなど加工肉の色合いをよくする『亜硝酸ナトリウム』は、それ自体に害はないが、体内に取り込むことで危険な物質に変わる。
「ヒトの胃の中にもある『アミン類』と混ざると強力な発がん性を持つ『ニトロソ化合物』が生成されます。加工肉によく使われる保存料の『ソルビン酸カリウム』も、体内で生成される亜硝酸ナトリウムと合わさると発がん性物質ができる。さらに、動物実験で、肝臓肥大や成長抑制、染色体異常などが起こることも確認されています」(郡司さん)
WHO(世界保健機関)も「加工肉を50g摂るごとに大腸がんになる可能性が18%アップする」と警告。選ぶなら発色剤を使わない「無塩せき」と表示してある商品がいいだろう。
これ以外にも、化学調味料の『たんぱく加水分解物』や、天然のでんぷんに化学薬品を加えて作る『加工でんぷん』、菓子やレトルトカレーの着色料として使われる『カラメルIII』『カラメルIV』にも発がん性が疑われる。タピオカなどの着色にも使われており、プリンなどに使われる糖をこがしたカラメルとは全くの別物だ。
「カップ麺やハム、ソーセージ、かまぼこなど、多くの加工食品に使われている『リン酸』には、特に注意してほしい。カルシウムが体内で吸収されるのを阻害したり、腎機能の低下を招いたりするといわれています」(垣田さん)
日本の骨粗しょう症患者は1000万人以上といわれるが、その8割は女性だという。
※女性セブン2020年7月23日号