国内

天皇陛下と雅子さま 「並んで動画メッセージ」を阻む事情

両陛下が横に並んでご進講を受けられるのが“令和流”(6月23日、東京・港区 写真/宮内庁提供)

 九州を猛烈な長雨が襲い、現地は日常を取り戻せないでいる。国民がそうした危機的状況に陥ったとき、天皇皇后両陛下はいつもその地に足を運ばれ、直接励まされてきた。

「今回の豪雨でも両陛下は心配を深められています。お見舞いをしたいとお思いだそうですが、コロナ禍で現地を訪れることができない。とても悔しい思いをされているそうです」(宮内庁関係者)

 避難所を訪れ、時に膝を床について言葉を交わす。両陛下が大切にされる「国民の中に入っていく皇室」が実践できない日々が続いている。

 それならば、新型コロナ感染拡大について動画メッセージで国民を励ましてはどうか―そんな声がいま少しずつ大きくなっている。

 歴史学者の河西秀哉さん(名古屋大学大学院准教授)は、いま皇室に求められるのは《ビデオメッセージを公開し、国を鼓舞したイギリスのエリザベス女王のように、国民に向かって直接語りかけること》(4月12日公開、文春オンライン)と指摘し、政治学者の御厨貴(みくりやたかし)さんも《国難とも言える状況だ。ビデオメッセージのような、より強い方法で発信してもよかったのではないか》(5月1日、毎日新聞)と発言している。

 2011年、東日本大震災が発生した5日後、上皇陛下はビデオメッセージで「おことば」を出された。令和皇室も、コロナ禍で「おことば」を出されていないわけではない。

 4月10日、両陛下が新型コロナについて専門家からご進講を受けられた際、陛下が原稿を読む形で冒頭に述べられたお言葉が、宮内庁のホームページに掲載された。5月20日にも日本赤十字社(以下、日赤)からご進講を受けられ、陛下と雅子さまのお言葉が公開された。愛子さまが高校を卒業された際に出されたお言葉にも、新型コロナへの言及があった。

 しかし、皇室の情報発信の機会そのものが少ないのは事実。皇室関係者の間でも、このままでは国民にとって皇室の存在感が薄くなり、その存在の根幹が問われかねないという懸念が広がっている。両陛下が苦悩を重ねられていることは言わずもがなだ。

関連記事

トピックス

憔悴した様子の永野芽郁
《憔悴の近影》永野芽郁、頬がこけ、目元を腫らして…移動時には“厳戒態勢”「事務所車までダッシュ」【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
現行犯逮捕された戸田容疑者と、血痕が残っていた犯行直後の現場(左・時事通信社)
【東大前駅・無差別殺人未遂】「この辺りはみんなエリート。ご近所の親は大学教授、子供は旧帝大…」“教育虐待”訴える戸田佳孝容疑者(43)が育った“インテリ住宅街”
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
【エッセイ連載再開】元フジテレビアナ・渡邊渚さんが綴る近況「目に見えない恐怖と戦う日々」「夢と現実の区別がつかなくなる」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博を訪問された愛子さま(2025年5月8日、撮影/JMPA)
《初の万博ご視察》愛子さま、親しみやすさとフォーマルをミックスしたホワイトコーデ
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』が放送中
ドラマ『続・続・最後から二番目の恋』も大好評 いつまでのその言動に注目が集まる小泉今日子のカッコよさ
女性セブン
事務所独立と妊娠を発表した中川翔子。
【独占・中川翔子】妊娠・独立発表後初インタビュー 今の本音を直撃! そして“整形疑惑”も出た「最近やめた2つのこと」
NEWSポストセブン
名物企画ENT座談会を開催(左から中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏/撮影=山崎力夫)
【江本孟紀氏×中畑清氏×達川光男氏】解説者3人が阿部巨人の課題を指摘「マー君は二軍で当然」「二軍の年俸が10億円」「マルティネスは明らかに練習不足」
週刊ポスト
田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン