「両陛下は、新型コロナで世の中が大きく変わっていくなかで、どのように国民とともに歩み、国民の中に入っていくべきか、相当に悩まれているでしょう。普通に考えれば、この先1年なのか、数年なのか、まったく直接触れ合うことはできないかもしれない。世の中の変化に合わせて、ご自身たちも変わっていかなければならないとお考えのはず。難しいことだからこそ、宮内庁が責任を持って舵取りをしなければなりません」(前出・別の皇室ジャーナリスト)
平成の時代、上皇上皇后両陛下は全国津々浦々に足を運ばれ、国民と直接会い、言葉を交わしてこられた。それが皇室と国民の結びつきを強くし、両陛下は敬愛されてきた。それを令和の天皇皇后両陛下は「国民の中に入っていく」という形で昇華された。
しかし、国民の生活は新様式へとガラリと変わった。皇室と国民の関係も、大きな節目を迎えている。元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司さんは次のように言う。
「動画メッセージの活用は、天皇皇后両陛下の活動の幅を広げることにはなるでしょう。しかし、国民は実際にお会いしたときの場の雰囲気を肌で感じることができませんので、常態化するのは好ましくありません。国民の中に入っていこうとされている両陛下は、やはり直接の触れ合いを大切にされていくでしょう」
おふたりが並んでメッセージを出されるお姿を、拝見する日は来るだろうか。
※女性セブン2020年7月30日・8月6日号