国内

営業再開したキャバクラ店長の嘆息「嬢も客も戻ってこない…」

店舗営業を始めたが客足も嬢もなかなか戻らない

店舗営業を始めたが客足も嬢もなかなか戻らない

 緊急事態宣言が解除され徐々に街に人が戻ってきたのにあわせて、オンライン支店をオープンさせていたキャバクラ店も、リアル店舗の営業を再開し始めた。だが、なかなか以前のようにお客さんは戻ってこないし、そこで働くキャバクラ嬢も戻ってこない人が目立つ。ライターの森鷹久氏が、接待を伴う飲食業の文化が変わろうとしている現状をリポートする。

 * * *
 車通りはあるものの、人通りが寂しい東京・港区の「夜の街」を寂しげに見下ろす男性──

「緊急事態宣言が終わったのは良かったですけど、結局お客さんは戻りませんよ」

 こう話すのは、六本木のキャバクラ店店長・森野タロウさん(仮名・30代)。森野さんが働く店も、多くの同業他店舗と同じく3月後半からの営業自粛を経て、6月の終わり頃に営業を再開させた。ところが、営業再開直後から都内では新たに感染者が増加しはじめ「夜の街」での感染を名指しで指摘され始めると、客足は再びガクッと減った。いや……、客はいずれ戻ってくるかもしれない。森野さんの心配は、別のところにある。

「3ヶ月間仕事がなくなった女の子たちは、地方のお店に行ったりして、うちが営業再開する時に戻ってきたのは以前の半分以下。店が通常営業に戻れば、給与もこちらの方がいいし、また来てくれるかと思ってるんですけど……」(森野さん)

 肝心要の女の子の方はどうか?

 森野さんが店長をつとめる店の系列店で、この3月まで働いていたというみゆうさん(仮名・20代)は、辛辣ながらも偽りのない本音を吐露する。

「儲かんないなら行くわけないっしょ(笑)。水(商売)は理不尽なことを言われるとわかっているけど、補償も見舞金もないのに他店で働くな、戻ってこい、なんて何様って感じ。うちは地方回ったりしてたけど、友達の嬢はリモートキャバ嬢からライブチャット嬢になっちゃった」(みゆうさん)

 リモートキャバ嬢とは、「LINE」や「Zoom」「17live」などライブ配信システムを介してオンライン接客をするオンラインキャバクラで働くキャバクラ嬢のこと。利用者はメッセンジャーなどでお店と予約のやりとりをし、クレジットカードやQRコード決済などで料金を支払って画面越しにキャバ嬢の接客を楽しむ仕組みだ。3月下旬、新型コロナウイルス感染が急拡大したころ、接待を伴う飲食店で感染が多く確認されていると発表されたため臨時休業したキャバクラが、4月に次々、オンライン上にキャバクラで出店をして話題となった。みゆうさんの知人キャバ嬢・さやかさん(仮名・20代)の店も、4月上旬ごろに「リモートキャバクラ」システムを導入。一部メディアにも取り上げらるなど脚光を浴びたというが……。

「リモートで飲みたい客なんかいねえから(笑)。最初はボーイが仲介してラインで飲んでたりしたらしいけど、バカみたいだしダルいじゃん? で、店に内緒でラインで客とビデオ電話して直で金振り込んでもらうようになったって。でもよっぽど話が上手くないと続かないし、結局下着見せたりしてセクシー路線に走るっていう…」(みゆうさん)

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン