換気対策のため扇風機を置き窓が開けて営業再開したゲームセンター(時事通信フォト)
「とにかく休業再要請には従いませんよ。
もう仕方のない話、飲食だろうが劇場だろうが家庭だろうがコロナは発生場所を選ばない。そもそも満員電車は本当にコロナを運んでいないのか、医療関係者だって夜の街の人だって電車は使うのだ。「ウィズコロナ」は政府が推し進めるソサイエティ5.0を実現する試金石だ。リモートワーク・テレワークなどはまさにコロナ後の新しい働き方であり、教育機関ではタブレットが一気に普及した。むしろコロナを契機に仕事改革を進め、国際競争に立ち遅れないようにするしかないだろう。だとすれば、休業最要請などコロナどうこう以前の足かせでしかない。国力とコロナの天秤で、多くの国は国力を選んでいるのが現状だ。
「自粛はしろ、でも働け、そんな矛盾した状態で再自粛しろ再休業しろなんて誰も言うこと聞きませんよ。もちろん個人的意見ですけどね、うちは違うけど、都遊協なんて大変だったそうじゃない」
都遊協とは東京都遊技業協同組合のこと。小池東京都知事は政府の緊急事態宣言解除と別にロードマップを作成し、パチンコ店を一番厳しい「ステップ3」とした。もう東京アラートもステップ云々も忘れられているような気がするが、ついこの前の話である。都遊協は根拠もなしに休業要請の緩和がもっとも遅い「ステップ3」とされたこと、都の協力要請は全うできないとして組合員のホール各社それぞれの経営判断に委ね、総退陣した(その後6月12日の東京アラート解除に伴い理事長再任)。
「小池さんは都知事選あったから支持率狙いでパチンコ屋いじめに走った。パチンコだけじゃない、自分の選挙のために生贄を次々用意する。そんな彼女に350万票なんて笑っちゃいます。まあ、森田の千葉が言えた話じゃありませんけど」
この柏市は千葉県で森田健作知事。同レベルの知事だと苦笑する西口さんだが目は笑っていない。
「私たちなんかまだいいですよ、なんだかんだで20兆円産業です。ゲーセンなんか可哀想ですよ。ゲーセンって全然儲からない。なのにステップ3でしょう、また店が減ったんじゃないかな」
最近はアミューズメント施設などという呼び方もするゲームセンター、いわゆるゲーセンはコロナ関係なく最盛期の5分の1に減っている。もちろんこれは家庭用ゲーム機やネットゲーム、ソーシャルゲームなどの普及にも因るが、このコロナ禍、まして東京アラートでさらなる被害を受けたと言っていいだろう。この柏の「マル地下」ゲーセン街のとある店舗もクラウドファウンディングで生き延びた。なにが凄いって、このマル地下は私と西口さんがたむろっていた時代から続く店がいまも営業しているのだ。私が18歳のころバイトしたハイテクセガ柏も残っている。そして西口さんも大学卒業後、マル地下ではないがゲーセンに勤めた経験がある。その後、私はパソコンゲーム誌のスタッフ、西口さんはパチンコホールと「不要不急」のエンタメ(アミューズメント)業界に身を投じた。