7月12日、立憲民主党の枝野幸男代表は「さらに感染が拡大すれば政治の不作為による失敗」と東京を中心に緊急事態宣言を出すべきと述べた(時事通信フォト)
「詳しいことは打たない日野さんが困っちゃうからもう端折るけど、とにかく私たちはもう日常を取り戻した、ということはわかっていただけると思います。もちろんコロナ対策も徹底してますよ、医療機関や官公庁を除けば、コロナ対策にもっともお金も人も使っているのはパチンコ業界だと自負しています。実際その辺りの評価はいただいていて、いつも悪者の私たちも嬉しいですね」
そう、日常だ。5月25日の緊急事態宣言解除後、私たちは憲法で保証された自由な経済活動、日常へと戻っていった。リモートワークやソーシャルディスタンスなどコロナ前とは違う就業形態を余儀なくされている人はいるだろうが、それでも社会福祉の範疇の方々を除けば、日々の糧を得るために働くしかないのが私たちだ。コロナの恐怖と失業の恐怖なら大部分は後者を恐れるだろう。日本政府もコロナより経済を取った。だからこその緊急事態宣言解除であり、GoToトラベルキャンペーンである。目立ちたがり屋の知事さんが何を言おうと、私たちは限界なのだ。8月からは新たにGoToイートキャンペーンが始まる。休めだ動けだ、いったいどうすればよいのやら。
「そのとおりです。パチンコ以上に小売とか、外食とか、どこも限界じゃないですか、再自粛要請どころか緊急事態宣言が再発令なんてされたら、コロナで死ぬより金詰まりで死ぬんじゃないですか」
西口さんと私の考えは基本的に同じだ。いや、大多数の職業人はそうだろう。1000人余りの尊い人命が奪われたが、餅などを喉につまらせて死ぬ人が1月だけで1300人、インフルエンザに至っては年間3000人を超える(2018年)。未知のウイルスとそんなものを一緒にするな、不謹慎だと言われてしまうだろうが、事実である。餅はともかくインフルエンザで国家経済をストップしたりはしないだろう。ワクチンの完成を待っていたら倒産とか失業なんて笑えない。
「それにね、前回はみんな自粛に従いましたが、今回も協力するかと言ったらどうでしょう。誰も従わないんじゃないですか? お上品な百貨店も無視してるくらいですから」
新宿伊勢丹、東武池袋などは感染者が出ても逐次対応で営業している。そごう川口店だけは全館休業、個々の自由だが何をしても今後も感染者は出るだろうに、余裕あるなと思う。
「国が重篤患者も少ないし死者はもっと少ないから問題ないと言ってるわけでしょう? 野党が緊急事態宣言を出したがってるそうだけど、野党の金で保証してもらわなきゃね」
西口さんの言っているのは7月12日に立憲民主党の枝野幸男代表が「少なくとも東京を中心に緊急事態宣言を出すべき客観的な状況だ」と言ったことだろう。政府は「考えていない」と一蹴したが、確かにこれで再宣言なら立憲民主党の政党助成金と枝野さんのポケットマネーで営業保証してもらうのも一興か。
「誰もどうにもならないんだから、コロナ前提で仕事するしかないでしょう」