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パラアスリートと義肢装具士がペアで挑む、知られざる戦い

パラアスリートの小須田潤太選手(SportsPressJP/アフロ)

 2020東京五輪・パラリンピック──本来なら今、まさに熱戦の火ぶたが切って落とされている頃のはずだった。新型コロナウイルスの感染拡大により2021年7、8月に延期となったものの、今後も感染状況は予測できず、開催の可否は予断を許さない状況になっている。

 現役高校生たちの各種スポーツ大会も春夏の甲子園大会、インターハイなどが今年は相次いで中止となり、高校生たちの落胆はいかばかりかと想像する。

 そんななか、生き生きと青春を謳歌する高校生アスリートを活写した漫画『新しい足で駆け抜けろ。』(みどりわたる作、『ビッグコミックスピリッツ』に連載中)が人気だ。本作でも、新型コロナウイルスに翻弄されながら思い悩む高校生の姿がリアルに描かれている。

 主人公の菊里翔太は、見た目は普通の高校生。けれども、ズボンの下の左足は義足だ。中学時代からサッカーでならした翔太は、チームメイトの武川と強豪の山ヶ峰高校に入学。「テッペン目指して」サッカーに打ち込むはずだった。ところが、入学早々、翔太は交通事故に遭い、左足の大腿部から先を切断する大けがを負ってしまう。

 サッカーができなくなり、リハビリで学校にも通えず落胆する翔太。だが、ひょんなことから義肢装具士の千鳥政信と出会い、競技用義足をつけたランナーを志すようになる。

 千鳥から競技用義足を借りて走り始めた翔太は、日常用の義足との違いに戸惑う。初めて本気で走ったときには、派手に転んで鼻血を出してしまう。その後も足を入れる義足のソケット部分と触れる足の箇所に痛みが出たり、とトラブルは尽きない。義足の高校生が、そんな壁を乗り越えていく様子がこの漫画の見どころだ。

 とはいえ、義足をつけたこともなければ、実際に見たこともない人が、その困難を想像するのは難しい。そもそも競技用と日常用の義足にはどんな違いがあるのか。

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