ビジネス

歌舞伎町の飲食店主「お望み通り辞めてやりますよ」と恨み節

新型コロナウイルスの影響で新宿・歌舞伎町の人通りはかなり減っている(時事通信フォト)

新型コロナウイルスの影響で新宿・歌舞伎町の人通りはかなり減っている(時事通信フォト)

 世界でも有数の夜の盛り場である新宿区の歌舞伎町だが、飲食店はどこも満席で、入れる店を探すにも一苦労、行く当てのない人たちを待ち構えるキャッチセールスが路上に何人もいるという光景が見られなくなっている。ところが、今ではどの店も簡単に席を取れるし、休業なのか閉店なのか、シャッターが降りたままの店舗も少なくない。ライターの森鷹久氏が、営業不振だけならともかく、世間の敵のように扱われて心が折れたという飲食店主の告白をレポートする。

 * * *
「何が『夜の街』ですか。そんなもん、六本木も渋谷も池袋も、全部夜の街ですよ。新宿が感染の震源地だというメディアまである。そこまで忌み嫌われるのなら上等です、お望み通り辞めてやりますよ」

 こう怒りを露わにするのは、東京新宿・歌舞伎町の飲食店オーナー・丸田総次さん(60代・仮名)だ。新型コロナウイルスの感染拡大を受け4月の初めから営業を自粛していたが、緊急事態宣言解除後には営業を再開。座席数を従来の3分の2に減らし、それぞれ飛沫感染防止用のクリアプレートを設置した。店の入り口には体温計と消毒剤の設置もした。営業再開までには、相当な手間暇をかけて投資したと訴える。

「それでもお客の戻りは以前の3割ほど。ちょうどその頃、歌舞伎町のホストでクラスターが発生したと話題になりました。ホストや一部のキャバクラ、ガールズバーが緊急事態宣言下でガンガン営業していたことは、わかっていました。もちろん、勝手なことしやがってとは思いました。ただ、連中だって生きるためにはやるしかない。とはいえ、そのせいで歌舞伎町、いや新宿から人が減っていくのなら許せないという気持ちでした」(丸田さん)

 東京都をはじめとした大都市で、感染拡大当初は不十分だったPCR検査体制が充実し始めたいま、判明した新規感染者の濃厚接触者は、ほとんどがPCR検査を受けているとみられる。その影響もあるのだろう、7月になってから東京都では、緊急事態宣言を発するほど事態が逼迫していた4月を上回る新規感染者数を連日、記録している。これは「感染第二波」がすでに起こっているのではないか、とおおっぴらに議論されるほどだ。感染者数が増えても無症状や軽症者ばかりと言われていたが、重症患者数の割合もここにきて増加傾向にある。

「都も国もマスコミも、ホストを悪者にした後は『新宿が悪い』ですからね。じゃあ電車や職場はどうなんだと。新宿ばかりを悪者にして、渋谷や池袋では、夜の街に人が溢れてるんですよ。新宿ばかりを重点的にやるのではなく、他のエリアの検査を同じくらいやれば、かなり出てくるに違いないですよ」(丸田さん)

トピックス

世界中でセレブら感度の高い人たちに流行中のアスレジャーファッション(左・日本のアスレジャーブランド「RUELLE」のInstagramより、右・Backgrid/アフロ)
《広瀬すずもピッタリスパッツを普段着で…》「カタチが見える服」と賛否両論の“アスレジャー”が日本でも流行の兆し、専門家は「新しいラグジュアリーという捉え方も」と解説
NEWSポストセブン
浅香さんの自宅から姿を消した内縁の夫・世志凡太氏
《長女が追悼コメント》「父と過ごした日々を誇りに…」老衰で死去の世志凡太さん(享年91)、同居するスリランカ人が自宅で発見
取締役の辞任を発表したフジ・メディア・ホールディングスとフジテレビ(共同通信社)
《辞任したフジ女性役員に「不適切経費問題」を直撃》社員からは疑問の声が噴出、フジは「ガバナンスの強化を図ってまいります」と回答
NEWSポストセブン
子宮体がんだったことを明かしたタレントの山瀬まみ
《“もう言葉を話すことはない”と医師が宣告》山瀬まみ「子宮体がん」「脳梗塞」からの復帰を支えた俳優・中上雅巳との夫婦同伴姿
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《12月1日がお誕生日》愛子さま、愛に包まれた24年 お宮参り、運動会、木登り、演奏会、運動会…これまでの歩み 
女性セブン
海外セレブの間では「アスレジャー
というファッションジャンルが流行(画像は日本のアスレジャーブランド、RUELLEのInstagramより)
《ぴったりレギンスで街歩き》外国人旅行者の“アスレジャー”ファッションに注意喚起〈多くの国では日常着として定着しているが、日本はそうではない〉
NEWSポストセブン
虐待があった田川市・松原保育園
《保育士10人が幼児を虐待》「麗奈は家で毎日泣いてた。追い詰められて…」逮捕された女性保育士(25)の夫が訴えた“園の職場環境”「ベテランがみんな辞めて頼れる人がおらんくなった」【福岡県田川市】
NEWSポストセブン
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
【複雑極まりない事情】元・貴景勝の湊川親方が常盤山部屋を継承へ 「複数の裏方が別の部屋へ移る」のはなぜ? 力士・スタッフに複数のルーツが混在…出羽海一門による裏方囲い込み説も
NEWSポストセブン
アスレジャースタイルで渋谷を歩く女性に街頭インタビュー(左はGettyImages、右はインタビューに応じた現役女子大生のユウコさん提供)
「同級生に笑われたこともある」現役女子大生(19)が「全身レギンス姿」で大学に通う理由…「海外ではだらしないとされる体型でも隠すことはない」日本に「アスレジャー」は定着するのか【海外で議論も】
NEWSポストセブン
中山美穂さんが亡くなってから1周忌が経とうとしている
《逝去から1年…いまだに叶わない墓参り》中山美穂さんが苦手にしていた意外な仕事「収録後に泣いて落ち込んでいました…」元事務所社長が明かした素顔
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)(Instagramより)
《俺のカラダにサインして!》お騒がせ金髪美女インフルエンサー(26)のバスが若い男性グループから襲撃被害、本人不在でも“警備員追加”の大混乱に
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏の人気座談会(撮影/山崎力夫)
【江本孟紀・中畑清・達川光男座談会1】阪神・日本シリーズ敗退の原因を分析 「2戦目の先発起用が勝敗を分けた」 中畑氏は絶不調だった大山悠輔に厳しい一言
週刊ポスト