昨年、雅子さまは体調不良が囁かれる中で、追悼式参列を果たされた(2019年8月、東京・千代田区 写真/時事通信社)

◆高齢の遺族らの思いに寄り添いたい

 国民の前にお姿を見せられるのはこの夏の、たった1度だけ――それだけに、何が何でも出席するという不退転の覚悟でおられるのだろう。

「地方の行幸啓では、訪問先の駅などで大勢の人が待ち受け『密』ができるのが問題でした。ですが、追悼式会場の日本武道館と、両陛下がお住まいの赤坂御用地は、車ですぐの距離。電車移動に比べて密のリスクがずっと少ない。そうしたことも、両陛下の出席の後押しになったのでしょう」(前出・皇室記者)

 そうした状況で参列するのは遺族らへの思いもある。

 遺族らは感染のリスクや中傷を受ける危険を背負っている。高齢で、感染すれば重症化しやすいことも承知しているだろう。実際、揺れる気持ちを抱えながら参列を断念した遺族も多い。それでも、先の大戦で亡くなった家族を悼むため、覚悟を持って東京を訪れるのだ。両陛下はそうした出席者の思いを強く感じておられるに違いない。

「もし追悼式に両陛下が出席されなかったら、“両陛下は自粛されたのに多くの人が集まったことの是非”が問われかねません。両陛下は、覚悟を持って集まる人、行きたくても行けないと諦めた人の思いをないがしろにしたくない、むしろ寄り添いたいとお考えなのではないでしょうか。

 そうした遺族らへの思いが、感染リスクを背負っても“絶対に出席する”という両陛下の原動力になっているように感じます」(皇室関係者)

 たった1度のお出ましにかけるお気持ちは計り知れない。

※女性セブン2020年8月13日号

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