玄関でスリッパに履き替えねばならない医療機関は、いくつも思い浮かぶはずだ。そのほかにも、無意識に触れてしまっているが実は危険な“盲点”は多くある。

「古い設備の病院は、特に気をつけるべき。トイレはドアの取っ手を触らねばならず、水道も蛇口をひねらなければならないからです。新しい施設は壁の造りを工夫してドアは取り払われ、蛇口もセンサー式になっています」(岡田さん)

 これらの設備は、定期的にウイルスを拭き取るなど消毒の方法があるからまだいいが、人知れずウイルスを“吸い込み続ける設備”もある。

「それはカーテンです。診察室や服を着脱するところ、そして病室の仕切りなど、病院にはカーテンがたくさんありますが、出入りするときに看護師から患者まで誰もがのれんのように触りますから、ばい菌だらけ。とはいえ枚数も多いので、そんなに頻繁に洗濯できない。カーテンをめくって診察室や着替え室に入るような様式の病院は、それ自体が、病気を媒介してしまう可能性が高いとにらんでいます」(岡田さん)

薬が効かない! 耐性菌の恐怖

 病院で感染リスクが高まるのは、コロナやインフルエンザをはじめとしたウイルス由来の病気だけではない。長時間病院に滞在することで薬の効能を弱めてしまう「耐性菌」が体内に入る可能性もある。岸田さんが解説する。

「感染症の治療には抗生物質を使います。それによって菌は死ぬが、使えば使うほど菌に耐性がついて抗生物質が効かなくなる。これを『耐性菌』といいます。病院には耐性菌保有者がいる可能性が高く、手すりなどを介し、もらってしまうことがある。何か症状が出たり体調が悪くなったりすることがあるわけではないため、知らない間に体に定着してしまう恐ろしい状態です」

 耐性菌の問題は深刻だ。多数の抗生物質に抵抗性を持った「スーパー耐性菌」の存在も明らかになり、国内でも多数の死者が出ている。WHO(世界保健機関)も「このままいけば2050年には年間1000万人が耐性菌によって死ぬことになる」と警告している。

※女性セブン2020年8月20・27日号

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