芸能

山口百恵ら大スターを多数輩出した70年代オーディション番組

1975年5月13日、映画『花の高2トリオ 初恋時代』会見時の桜田淳子、森昌子、山口百恵

 現在、日本の音楽業界で大きな話題となっているのが、オーディション番組『Nizi Project』から誕生したK-POPグループ「NiziU」だ。デビューに向けてレッスンを重ね、厳しいサバイバルを繰り返していく少女たちに、多くの視聴者が感情移入していった。

 人々を魅了するオーディション番組だが、その人気の源流は1970年代にあるという。

◆すべては伝説の番組『スター誕生!』から始まった

 1970年に視聴者参加型番組として始まり、人気を博していたのは、読売テレビ制作の『全日本歌謡選手権』(1970~1976年、日本テレビ系)だった。同志社女子大学メディア創造学科教授の影山貴彦さんが解説する。

「この番組はアマチュアも参加できましたが、グランプリをとったのは、五木ひろしさん(72才)や八代亜紀さん(69才)など、すでにレコード会社に所属している歌手がほとんど。素人がスターになるというより、新人歌手の登竜門のような番組でしたね」

 この1年後、オーディション番組として『スター誕生!』(日本テレビ系、以下「スタ誕」)がスタートする。

 当初から審査員として参加していた作詞・作曲家の中村泰士さんは、次のように当時を振り返る。

「作詞家の阿久悠さん(享年70)が、日本テレビに企画を持ち込んで始まった番組です。最初は、認知度を上げるために、新御三家のひとり、野口五郎さん(64才)など、すでに活躍していたアイドルに、ゲスト出演してもらっていました」(中村さん・以下同)

「スタ誕」が当時、画期的だったのは、事務所の垣根を越えたオーディション番組だったことだ。

「出場者が予選、本選と厳しい審査を勝ち抜き、合格者が集まったところで、3か月に1回決勝大会を行っていました。決勝大会で参加者が歌い終わって、司会者が『さあ、どうぞ』と声をかけると、レコード会社や芸能事務所関係者が社名の入ったプラカードを挙げてスカウトをするわけです」

 この番組からデビューした『花の中三トリオ』の山口百恵(61才)、森昌子(61才)はホリプロ、桜田淳子(62才)はサンミュージックへ。ピンク・レディーはT&Cミュージックに所属し、ビクター音楽産業(当時)からデビューを果たす。

「『スタ誕』は、収録の前に下見会というのがありました」

 そう明かすのは、ピンク・レディーの未唯mieだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

全米の注目を集めたドジャース・山本由伸と、愛犬のカルロス(左/時事通信フォト、右/Instagramより)
《ハイブラ好きとのギャップ》山本由伸の母・由美さん思いな素顔…愛犬・カルロスを「シェルターで一緒に購入」 大阪時代は2人で庶民派焼肉へ…「イライラしている姿を見たことがない “純粋”な人柄とは
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
JR東日本はクマとの衝突で71件の輸送障害 保線作業員はクマ撃退スプレーを携行、出没状況を踏まえて忌避剤を散布 貨物列車と衝突すれば首都圏の生活に大きな影響出るか
NEWSポストセブン
真美子さんの帰国予定は(時事通信フォト)
《年末か来春か…大谷翔平の帰国タイミング予測》真美子さんを日本で待つ「大切な存在」、WBCで久々の帰省の可能性も 
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《全国で被害多発》クマ騒動とコロナ騒動の共通点 “新しい恐怖”にどう立ち向かえばいいのか【石原壮一郎氏が解説】
NEWSポストセブン
シェントーン寺院を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
《ラオスご訪問で“お似合い”と絶賛の声》「すてきで何回もみちゃう」愛子さま、メンズライクなパンツスーツから一転 “定番色”ピンクの民族衣装をお召しに
NEWSポストセブン
”クマ研究の権威”である坪田敏男教授がインタビューに答えた
ことし“冬眠しないクマ”は増えるのか? 熊研究の権威・坪田敏男教授が語る“リアルなクマ分析”「エサが足りずイライラ状態になっている」
NEWSポストセブン
“ポケットイン”で話題になった劉勁松アジア局長(時事通信フォト)
“両手ポケットイン”中国外交官が「ニコニコ笑顔」で「握手のため自ら手を差し伸べた」“意外な相手”とは【日中局長会議の動画がアジアで波紋】
NEWSポストセブン
11月10日、金屏風の前で婚約会見を行った歌舞伎俳優の中村橋之助と元乃木坂46で女優の能條愛未
《中村橋之助&能條愛未が歌舞伎界で12年9か月ぶりの金屏風会見》三田寛子、藤原紀香、前田愛…一家を支える完璧で最強な“梨園の妻”たち
女性セブン
土曜プレミアムで放送される映画『テルマエ・ロマエ』
《一連の騒動の影響は?》フジテレビ特番枠『土曜プレミアム』に異変 かつての映画枠『ゴールデン洋画劇場』に回帰か、それとも苦渋の選択か 
NEWSポストセブン
インドネシア人のレインハルト・シナガ受刑者(グレーター・マンチェスター警察HPより)
「2年間で136人の被害者」「犯行中の映像が3TB押収」イギリス史上最悪の“レイプ犯”、 地獄の刑務所生活で暴力に遭い「本国送還」求める【殺人以外で異例の“終身刑”】
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
“関東球団は諦めた”去就が注目される前田健太投手が“心変わり”か…元女子アナ妻との「家族愛」と「活躍の機会」の狭間で
NEWSポストセブン
ラオスを公式訪問されている天皇皇后両陛下の長女・愛子さまラオス訪問(2025年11月18日、撮影/横田紋子)
《何もかもが美しく素晴らしい》愛子さま、ラオスでの晩餐会で魅せた着物姿に上がる絶賛の声 「菊」「橘」など縁起の良い柄で示された“親善”のお気持ち
NEWSポストセブン