多部の大ファンという映画ブロガーのCDB氏は、彼女が演じるヒロインたちの魅力をこのように語る。
「主演ドラマである『わたナギ』や『これは経費で落ちません!』(NHK総合)など、多部未華子さんは、常にニコニコしている女性ではなく、強い意志を持ち、よく怒る女性を魅力的に演じています。彼女が演じる不機嫌なヒロインは、『従順で怒らないことがかわいいはず』というセオリーに真っ向から反していますが、男女を問わず惹きつける力があります」
なぜ多部は“不機嫌なヒロイン”を魅力的に演じることができるのか? その秘訣は、彼女の印象的な目元にあるようだ。
「『上がり眉や怒り眉を、下がり眉や困り眉に直したい。怒って見える目はかわいくない』と悩む女性がいますが、男女ともに人気のある多部未華子さんはデビュー以来ずっと上がり眉ですよね。
多部未華子さんと平手友梨奈さんの目は少し似ているのですが、どちらもガーリッシュでありつつ、強い意志を感じさせる瞳です。人間的な優しさと強い正義感が同居している目と表現してもいいでしょう。他人の思い通りにならない、自由な猫のような強さを持った眼差しを多くの人が魅力的だと感じている。
彼女たちは『従順なかわいさ』から、『新しいかわいさ』を切り拓いたと言えるかもしれません。結婚しても、40代になっても、多部未華子さんの美しい目は多くの人に愛されるのではないでしょうか」(CDB氏)
飾らない自然体で、しなやかな強さも持ち合わせている——。そのような生き方は、たしかに性別問わず人々が普遍的に憧れるものだろう。多部の“新しいかわいさ”は、結婚で人気ダウンするどころか、年齢を重ねるにつれて一層輝きを増していくものかもしれない。
◆取材・文/原田イチボ(HEW)