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大相撲“モラハラおかみさん問題”に相撲協会が及び腰な理由

式秀部屋で集団脱走が発生(時事通信フォト)

『大相撲の事典』(東京堂出版)の定義によれば、「おかみさん」とは〈部屋持ち親方の妻の呼称。部屋の全力士の母親役をつとめ、しつけ役、身上相談、ちゃんこ材料の買い出し指導から親方・子供の世話まで、機転と忍耐力と行動力が要求される大役である〉とある。

 その大役の“暴走”が「力士の集団脱走」によって明らかになった。

 8月4日、式秀部屋の力士9人が部屋を飛び出し、カラオケボックスから相撲協会の通報窓口に連絡。「おかみさんのモラハラ」を訴えた。

「式秀親方(元前頭・北桜)は今年1月から体調を崩して本場所を休場していた。“師匠代行”となったおかみさんが、力士の生活を徹底監視。グループLINEに長文の指示を送ったり、仕送りの荷物の中身の画像を投稿させるなどし、従わないと厳しく叱責したという。弟子たちが音をあげて逃げ出した」(協会関係者)

 式秀部屋は力士に爆羅騎(ばらき)、冨蘭志壽(ふらんしす)、宇瑠寅(うるとら)、など“キラキラネーム”をつけることで知られるが、所属力士は序ノ口で89連敗を記録した服部桜ら三段目以下のみ。部屋付き親方もおらず、指導者不在となっていた。

「式秀親方が現役時代に所属した北の湖部屋の兄弟子らでサポート体制を組むこともできた。ただ、心配した親方衆が部屋を訪ねたところ、おかみさんが門前払いにしたそうです」(若手親方)

 式秀部屋はもともと、使命感の強いおかみさんが部屋を切り盛りし、「親方は頭が上がらなかった」(同前)という。

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