国内

安倍首相の健康不安説で国民を振り回す「確証バイアス」

8月24日、慶応大学病院を出る安倍晋三首相(写真/時事通信フォト)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、健康不安が囁かれている安倍晋三首相について。

 * * *
 今、テレビや新聞が連日のように報じている安倍首相の体調についてのニュースには、「確証バイアス」が溢れている。発端となったのは、8月17日に突然、「安倍首相が検査のため病院へ」と伝えられたこと。東京・信濃町にある慶応大学病院を訪れた安倍首相の姿を多くのメディアが捉え、体調悪化を裏付けるさまざまな情報が飛び交っている。長時間の記者会見などに姿を見せない状態が続いていた安倍首相だが、疲労かと思いきや、どうやらそれだけではないようだ。

 一国の首相の健康問題となれば、政権としては絶対に隠しておきたい案件だ。イギリスのジョンソン首相やブラジルのボルソナロ大統領のようにコロナに感染したという事実以外、国のリーダーの健康不安説など政権や国にとってはマイナスでしかない。当然政権は、即座に払拭したいのが本音だろう。

 だが、疑念を払拭するどころか状況は深刻さを増している。病院前にはテレビカメラがずらりと並び、検査後の安倍首相を待ち構えた。この日の病院滞在時間は約7時間半。半年に一度受けるという検査は6月に受けたばかりだ。首相は受診理由を「追加検査」と公表したが、24日には再び来院する事態となった。24日は、第2次安倍政権発足から2799日と歴代最長の連続在任日数を記録した日だったが、再来院のニュースに搔き消された形となった。

 首相は2007年9月、第1次安倍政権時に持病の潰瘍性大腸炎が悪化して突然退陣を表明した過去がある。それだけに、メディアが一斉に健康不安説を流し始めたのも無理はない。各メディアは、それぞれの独自の視点から、首相の体調悪化を裏付けるための情報を探し、躍起になって報じている。

関連記事

トピックス

クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《スイートルームを指差して…》大谷翔平がホームラン後に見せた“真美子さんポーズ”「妻が見に来てるんだ」周囲に明かす“等身大でいられる関係”
NEWSポストセブン
“飛ばし屋あいちゃん”の異名も
《女子ゴルフ後藤あい》16歳ドラコン女王“驚異のぶっ飛び”の秘密は「軟らかいシャフトで飛ばす」 アマチュアゴルファーでも実践できるのか? 専門家が解説
週刊ポスト
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《「策士」との評価も》“ラブホ通いすぎ”小川晶・前橋市長がXのコメント欄を開放 続投するプラス材料に?本当の狙いとは
NEWSポストセブン
女性初の首相として新任会見に臨んだ高市氏(2025年10月写真撮影:小川裕夫)
《維新の消滅確率は90%?》高市早苗内閣発足、保守の受け皿として支持集めた政党は生き残れるのか? 存在意義が問われる維新の会や参政党
NEWSポストセブン
滋賀県を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月25日、撮影/JMPA)
《すぐに売り切れ》佳子さま、6万9300円のミントグリーンのワンピースに信楽焼イヤリングを合わせてさわやかなコーデ スカーフを背中で結ばれ、ガーリーに
NEWSポストセブン
注目される次のキャリア(写真/共同通信社)
田久保真紀・伊東市長、次なるキャリアはまさかの「国政進出」か…メガソーラー反対の“広告塔”になる可能性
週刊ポスト
送検のため奈良西署を出る山上徹也容疑者(写真/時事通信フォト)
《安倍晋三元首相銃撃事件・初公判》「犯人の知的レベルの高さ」を鈴木エイト氏が証言、ポイントは「親族への尋問」…山上徹也被告の弁護側は「統一教会のせいで一家崩壊」主張の見通し
NEWSポストセブン
新恋人のA氏と腕を組み歩く姿
《そういう男性が集まりやすいのか…》安達祐実と新恋人・NHK敏腕Pの手つなぎアツアツデートに見えた「Tシャツがつなぐ元夫との奇妙な縁」
週刊ポスト
女優・八千草薫さんの自宅が取り壊されていることがわかった
《女優・八千草薫の取り壊された3億円豪邸の今》「亡き夫との庭を遺してほしい」医者から余命宣告に死の直前まで奔走した土地の現状
NEWSポストセブン
左から六代目山口組・司忍組長、六代目山口組・高山清司相談役/時事通信フォト、共同通信社)
「六代目山口組で敵う人はいない」司忍組長以上とも言われる高山清司相談役の“権力” 私生活は「100坪豪邸で動画配信サービス視聴」も
NEWSポストセブン
35万人以上のフォロワーを誇る人気インフルエンサーだった(本人インスタグラムより)
《クリスマスにマリファナキットを配布》フォロワー35万ビキニ美女インフルエンサー(23)は麻薬密売の「首謀者」だった、逃亡の末に友人宅で逮捕
NEWSポストセブン