安倍首相の辞任が現実のものとなった今、韓国ではどんな反応が起きているのか。韓国人作家の崔碩栄(チェ・ソギョン)氏はこう言う。
「新聞報道は保守系もリベラル系も、意外に冷静です。どちらも安倍首相の辞任で日韓関係の改善が期待されるが、おそらく変化はないだろうとしている。記事に寄せられたコメントの中には、『叩ける人がいなくなって寂しくなるな』と皮肉った書き込みもありますが、『韓国人から見れば悪い人だけれど日本人から見れば頑張ったリーダーだからね』と総じて冷静で、感情的な反応は少ないですね」
安倍首相の辞任よりも、むしろ次期首相に誰がなるかに注目が集まっているという。
「石破茂氏にはなぜか“いい人らしい”というイメージがあって、もっとも支持されています。一方、河野太郎氏は人気がない。1年ほど前、日本製品不買運動のさなかに外相会談で訪韓した際、韓国人記者を『そのカメラはキヤノン製か?』とからかったとされていて嫌われています」(崔氏)
河野氏本人の弁によると、これは日本人記者団との会話であって、たまたま韓国人記者が居合わせただけとのことだが、現在はGSOMIA問題などで直接対峙する防衛大臣でもあることから、韓国側の警戒感が強いのかもしれない。
もし次期総理に石破氏がなれば、そのときに初めて、〈「敵対的共生」のこの上ないパートナー〉(前掲記事)だった安倍首相を失ったことを実感し、(特に反日政策により支持率を上げてきた文在寅大統領は)“安倍ロス”に陥るのだろうか。