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「菅一強」と化した永田町の「バンドワゴン効果」

永田町は菅官房長官の圧勝ムード(写真/AFLO)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、「次の総理」を巡る自民党議員たちや人々の心理について。

 * * *
 ポスト安倍を巡る争いが激しさを増している、と書きたいところだが、菅義偉官房長官が自民党総裁選に立候補するという情報が流れた途端、「菅氏優位」というより「次期総裁は菅氏」という雰囲気になっている。自民党議員たちは次々と菅氏支持を表明。勝ち馬に乗り遅れるなとばかりに、心理学で言う「バンドワゴン効果」が永田町で高まっている。

 安倍首相が突如辞任を発表したのは8月28日。速報が流れたかと思えばすぐさま、自民党総裁選はどう行うのか、誰が立候補を表明するのか、といった次期政権に関する情報が飛び交い、新型コロナウイルス関連一色だった情報番組のトップニュースに取って代った。

 いち早く総裁選に名乗りを上げたのは石破茂元幹事長。何回目の立候補なのか。毎回、人気は高いと言われながら総裁の席を逃してきた。政治評論家たちはその理由を、「議員たちへの面倒見が悪い」とか、「真面目で固すぎる」とか色々と解説する。また、政策云々の前に毎回取り沙汰されるのが、熱量が高そうなこってりとした見た目と独特の話し方だ。良くも悪くもインパクトが強すぎて、その手腕に期待したいとは思いつつ、総理総裁として「石破氏の顔をテレビで毎日見るのはちょっとね…」と言う声も聞かれる。

 反対に、岸田文雄政調会長は影が薄い。私の周りでは誰も岸田氏の名前を口にしなかったぐらい存在感がない。会見を見ても、印象は冷静沈着、話し方も身ぶりも淡々としたもので熱量低め。全体的にインパクトに欠け、政治家としての迫力や凄みは感じられない。安倍首相の「意中の人」と言われていたが、国の情勢が安定していればまだしも、コロナ禍の非常事態下ではどうにも頼りない。

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