国際情報

中国雲南省で数十年で最悪のバッタ食害 食糧安保に影響も

バッタによる食物被害が世界各地で深刻化(写真/GettyImages)

 中国南部の雲南省では過去数十年でも最悪のバッタによる食物被害(蝗害)に悩まされている。一本のトウモロコシに30~40匹のトノサマバッタが張り付き、数分でトウモロコシの実や葉っぱが食いつくされてしまい、山の中の竹や木なども丸裸にされているという。

 これらのバッタは隣国のラオスで大量発生したもので、急峻な山岳地帯を上り、国境を越えて雲南省に侵入。雲南省の地元政府は8月初旬、ドローンなどを使って殺虫剤を散布するなどして1週間で数百トンのバッタを駆除したが、8月末現在、大量のバッタがラオス側から押し寄せており、このままでは雲南省や近隣の中国の農村部の穀物を食い尽くすことが懸念されている。中国メディアが報じた。

 雲南省江城県政府の発表によると、トノサマバッタの群れは6月下旬からラオスとの国境を越えて中国領に入っており、その後も8月下旬まで大量のバッタが出没し続けている。このままだと、この勢いは9月以降も止まらないとみられる。

 ラオスでは2013年にバッタが大量発生。その後も毎年、蝗害に悩まされており、2014年にはラオス国内140カ所でバッタの流行が報告された。さらに、2015年にも500カ所以上での蝗害の発生が記録され、2019年までに、ラオスの9つの州で蝗害の流行が報じられており、トウモロコシや米などの作物が最悪の被害を受けたという。

 ラオスで発生が拡大したのは、バッタの発生地が急峻で密集したジャングル地帯であるため、人間が近寄ることが難しく、駆除が事実上不可能なためだ。

 雲南省でも山岳地帯が多く、ドローンなどで殺虫剤を散布しているが、完全に駆除するのは極めて困難な状況だという。また、バッタの大群は1日に最大70km以上も移動するので、そのスピードに駆除が追い付かないという。

関連キーワード

関連記事

トピックス

初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン