さまざまな選手がそれぞれの思いを胸に参加

 笹谷が野球を始めたのは高校1年生の時。中学時代までソフトボールをやっていて、その時の仲間に、みどり清朋の森山がいた。笹谷は森山に誘われてこのイベントに参加したという。プロ野球を目指す選手たちが集まるイベントに、競技歴2年半で参加したのはふたりぐらいだろう。

 笹谷はシート打撃でも力及ばず、3打数3三振。同世代でトップレベルのボールに手も足も出なかった。

「正直、周りとのレベルの差を痛感した2日間でした。外野守備ではうまく捕球できなかったし、肩も自分が参加者で一番弱かったと思います。(遠投は?)80メートルぐらいですかね。一番自信を持っていたのがバッティングでしたが、やはり自分のレベルの低さを……。猛者がいっぱい来るのは分かっていましたけど、今まで公立高校で野球をしていた身で、まったく違う世界の野球を見せてもらいました」

 会場は甲子園だったが、“聖地”の土を踏みたいという思いも、参加した理由のひとつだったのだろうか。

「いえ、場所がどこであっても参加していたと思います。もちろん、甲子園という高校野球の聖地ですから、足を踏み入れた瞬間、迫力、臨場感が襲ってきて、感動と緊張に包まれました」

 山本高校で外野手兼投手を務めていた笹谷が、投手として6人の打者と対戦したシート打撃では、ヒット性の当たりは1本も許さなかった(奪三振1、四球1)。

「おそらく自分の球が遅すぎたので、打ち取ることができたんだと思います。直前に(プロ注目の)帝京可児(岐阜)の加藤翼選手がすごい球を投げていたあとに自分だったので、対戦したバッターは逆に『ウソやろ!?』って感じになったと思うんです(笑)。自分の球速は、120キロあるかないかですから。持っている球種は、自分でもそう呼んで正しいのかわからないけどスラーブ、そしてカットボールとチェンジアップです」

 もちろん、夢はプロ野球選手。練習会に参加し、その思いはいっそう強くなった。

「俺には無理やろうと思いましたし、自分が一番下手くそだった。でも、高いレベルで野球をする楽しさを知り、トップレベルの選手に胸を借りるのがとても楽しかった。野球を見る目が変わったと思います。今後も高いレベルで野球ができたら、心と体を鍛えられるのかなと思います」

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