ライフ

85才で直面の入れ歯問題 「食べること」が何より重要だが…

高齢になると歯の大事さが身に染みてわかる

 認知症の母(85才)を支える立場である『女性セブン』のN記者(56才)が、介護の日々の裏側を綴る。今回は、入れ歯にまつわるエピソードだ。

 * * *
 いままで自分の歯でなんでも食べられていた母の奥歯が抜けそうだ。抜けたら選択肢は入れ歯しかないが、高齢になってからは慣れるのが難しいという。食欲旺盛、食べることが生き甲斐の母にとって、のっぴきならない大問題に頭を抱えている。

奇跡が続いた3年間 先延ばしにしていた大問題

「もう奥歯の歯根はなくなっていて、歯は奇跡的にくっついているだけ……」

 歯科医から告げられて恐れおののいたのはもう3年前のこと。実はこの“奇跡”、どういうわけかいまも継続中だ。母は要介護になった7年前の時点で、おそらく10年以上は歯科に行っていなかっただろう。私の世代まではまだ、歯科は“痛くなってからしぶしぶ行くもの”だった。高齢者にとって口腔ケアほど大事なことはないと知ったのは、介護の取材を始めてからだ。

「私は毎日歯を磨いているし、痛いところもないわ!」と言い張る母を近所の歯科クリニックに連れて行き、診察の結果、歯科医に言われたのが冒頭のせりふだ。歯周病がかなり進み、歯磨きが行き届いていないとも言われた。

「本当ならすぐに抜歯して入れ歯を入れるべきところなんだけど、高齢になると入れ歯に慣れるのが結構大変。いま食事が楽しめているなら、歯のお掃除をしながら見守りましょう」

 と、言ってくれた女医さんが女神様に思えた。母の生活に寄り添ってくれることに感謝しつつ、とりあえず入れ歯問題にも蓋をして、幸か不幸か3年もたった。

「腫れも出てきているから、そろそろ限界かも」と、先日の診察で女医さんもため息。この3年、確かに食事も楽しんだが、入れ歯問題のハードルはさらに上がったのだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン